Skip to main content

MSCの最新ニュースをご紹介するプレスリリースです。

MSCジャパンのプレスリリースをメールで受け取りたい方は、 こちらの登録フォームよりお手続きください。

北海道漁業協同組合連合会のホタテガイ漁業がMSC認証を取得

本日、北海道漁業協同組合連合会のホタテガイが、海洋管理協議会(MSC)の、持続可能で適切に管理された漁業の基準を満たすとして、MSC認証を取得しました。この認証に含まれる海域における2012年の水揚量は、410,000トン(原貝ベース)で、これはこの種のホタテガイとしては世界最大規模の漁獲高です。獲られたホタテガイ(学名:Patinopecten yessoensisは、日本国内への供給のみならず、東南アジアやMSC認証の水産品への需要の高いヨーロッパや米国などに輸出されています。今後、この漁業で獲られた北海道のホタテガイはMSCの「海のエコラベル」を付けることができるようになり、消費者やバイヤーは持続可能な漁業で獲られた水産物であると認識しながら選ぶことができます。

今回認証を取得した漁業は、種苗採取、垂下式漁法、けた網式漁法の3つの認証単位から成り、垂下式漁法は、噴火湾とサロマ湖、けた網式漁法は、根室海峡に面する道東部を含むオホーツク海水域で操業されています。いずれも天然の種苗を採集した後、沿岸部1~2キロから10キロ、水深15mから50mの間で行われています。

持続可能性への取り組みの長い歴史

1800年代後期にオホーツク海で始まった北海道のホタテガイ漁業は、機械化により1900年代初頭には年間漁獲量が80,000トンまで増加しました。その後1950年代に漁獲量が落ち込みましたが、新しい採種器の導入や中間育成段階の設定などにより、1975年には漁獲量が70,000トンまで回復し、近年の水揚げ量は約40万トンで安定しています。このように高いレベルで資源管理を行ってきた北海道のホタテガイ漁業は、これまでの努力を世界中の消費者に伝えるため、2010年4月にMSC認証の取得を目指し審査に入りました。

北海道漁業協同組合連合会の櫻庭武弘会長は、「育てて獲る漁業の優等生である北海道のほたて漁業は、今や全道水揚げの三分の一近くが海外に輸出され名実ともに国際商品として成長しました。こうしたなか、本会は3年前から北海道ほたて漁業振興協会と連携し、持続可能な漁業の国際認証として評価の高いMSC認証取得に挑戦してきましたが、お陰さまでこのほど厳しい審査を乗り越え悲願の認証取得にこぎつけました。待ちに待った朗報に、全道のほたて漁業関係者一同、大変喜んでおります。認証に向けてお世話を頂いた関係行政等の皆様に心から感謝とお礼を申し上げます。」と述べ、また次のようにコメントしました。「北海道のほたて漁業は、先人たちの並々ならぬ努力により、安定した生産を維持し、文字通り本道の基幹魚種としての基盤を築きましたが、今般のMSC認証により世界的にこの間の取り組みが評価されたわけであり大変名誉なことであります。MSC認証に恥じないよう、将来にわたり更なるほたて漁業の発展に組織を挙げて取り組んでいく決意であります。」

MSCのコメント

MSCのCEOルパート・ハウズは以下のように述べています。「海の持続可能性への熱意ある取り組みについてのこの重要な審査に関わった、漁業者や監督官庁はじめ全ての関係者をお祝い申し上げます。この象徴的な漁業は、2世紀近くのあいだ美味で再生可能な食糧資源を供給してきており、地域経済および漁業や関連産業の安定に貢献しています。今回のすばらしい結果は、水産物の選択においてその供給源に強い関心を持つ国内外の市場から注目されることでしょう。MSC認証の持続可能な北海道のホタテガイ漁業が、現在および将来において、認証された持続可能な水産物を求める顧客の需要に応えられることを期待しています。」

 MSCのグローバル・コマーシャル・ディレクター、ニコラス・ギシューは「MSC認証は、これまで北海道のホタテガイ漁業が持続可能性に積極的に取り組んできたことを報奨するものです。国際市場ではMSC認証のホタテガイへの需要は高く、特に北ヨーロッパと世界有数のホタテガイ市場であるフランスにおいて顕著です。今回の認証により、MSCとパートナーが水産市場を持続可能なものへ変えていくという共通目標に向けまた一歩前進したといえます」としています。

 MSC日本事務所のプログラム・ディレクター、石井幸造は次のように述べています。「この認証取得に向けご尽力された関係者の皆様にまずは心からお祝い申し上げます。日本のみならず海外でも評価・人気の高い水産物である北海道のホタテガイが認証を取得したことは、国内はもちろんのこと、国際的にも大きな注目を集めることと思います。今回の認証取得を通じて、北海道のホタテガイのマーケットが世界で拡大するとともに、持続可能な漁業の重要性に対する日本の消費者の認識向上につながることを期待しています。」

この他に情報が必要な方は、海洋管理協議会(MSC)日本事務所

電話: 03-5623-2845、Eメール: [email protected] までお問い合わせください。