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南アフリカのヘイク漁業が3回目の認証取得に成功

南アフリカのヘイクトロール漁業が3回目の認証取得に成功し、MSC認証漁業として11年目となりました。2004年に世界初のヘイク漁業として、また、世界で2例目の底魚漁業としてMSC漁業規準への適合が認められ認証を取得しました。それ以来、この漁業は環境面、経済面で大きく前進しています。

重要な経済資源

ヘイクトロール漁業は南アフリカで最も重要な漁業です。経済専門家の推定では、この漁業による現在の経済価値の35%をMSC認証製品が占めているとされています。

南アフリカ底層トロール漁業連合(SADSTIA)の事務局長ヨハン・オーガスティン博士は次のように述べました。「この認証はこの底層漁業にとってたいへん重要な成果であり南アフリカにとっても素晴らしいニュースであります。最近行われた経済性評価によりますと、この底層漁業の健全性が確保されることによって、漁業に関係する12,000人の雇用が守られ、持続可能な認証水産物製品への需要の高まりによって、2億米ドル相当規模におよぶ輸出市場の拡大があったとされています」。

協力による優れた管理

MSC認証では優れた環境パフォーマンスとしっかりとした管理システムが求められますが、これらは官民の間の協力関係に大きく依存するものです。南アフリカの農林水産省(DAFF)は、MSC認証へのこの漁業の取り組みに対する支援を再び明言しました。DAFFの漁業運営支援(Fisheries Operations Support)局のチーフディレクター、スー・ミドルトン氏は次のように述べています。「DAFFは南アフリカヘイク漁業がこの国にもたらす重要な経済貢献を認識しています。私たちはこの漁業と協力し、大切な資源の管理に責任を持って取り組んでまいります」。

環境パフォーマンスの改善

11年前の認証取得以降、この漁業では、資源の回復、海鳥の死亡率の減少、混獲管理方策の改善などをはじめとする数多くの便益を受けてきました。また、官民の間では強固な協力関係が築かれました。そうしたパートナーシップのひとつとして、大西洋沖100海里の特定の海域でトロール漁を4年間停止するという先駆的調査研究が行われています。この調査では生態系の回復のモニタリングが行われます。Benthic Trawl Experiment(底生トロール実験)として知られるこの調査研究は、漁業、DAFF、南アフリカ環境観測ネットワーク(SAEON)、ケープタウン大学(UCT)、そして南アフリカ国立生物多様性研究所(SANBI)による共同イニシアチブです。

MSCの南アフリカ担当マネージャー、マーチン・パーブスは次のようにコメントしました。「底生トロール実験をはじめとする取り組みが見過ごされるようなことはありません。MSC認証を取得したヘイクは世界の市場で注目を集め、現在42カ国で600種類を超える製品が世界で販売されています。既にアメリカ、イギリス、フランス、ドイツ、オーストラリアをはじめとする国々では、冷たくてきれいで栄養豊かな南アフリカの海からの美味しい魚として親しまれているのです」。