英国統治領の北アイルランドとアイルランド共和国のムール貝漁業が、北アイルランドの農業・地域開発省および農業・食糧・水産省による支援を受け、持続可能で適切に管理された漁業としてMSC認証を取得しました。加工・流通管理トレーサビリティ認証（CoC認証）を取得することにより、この漁業によるムール貝はMSCの青いエコラベルを表示することができます。
北アイルランドの審査では、持続可能な漁業への財政支援、投資を行っているヨーロッパ漁業基金と欧州共同体が部分的な資金援助を行いました。
この漁業では真夏から初秋にかけてムール貝を集め、沿岸の保護地域に移動させて成長させます。認可を受けた専用の繁殖場所で一年を通じて採貝が行われます。このムール貝漁業は共有資源として管理され、種苗放流のライセンスは両国によって認可されています。
経済的重要性
底生ムール貝部門は輸出量と輸出額の点において、アイルランド共和国と北アイルランドの養殖部門に大きく貢献しています。この漁業の2011年のムール貝生産量は北アイルランドで7,613トン、アイルランド共和国では12,524トンでした。生産高は合わせて1,700万ユーロ（1,475万ポンド）を超えています。主要マーケットはオランダで、持続可能な認証水産物の顕著な取引例となっています。
全島底生ムール貝諮問会議の会長、ドーナル・マグワイヤ氏は、次のように述べました。「アイルランド産のムール貝がMSC認証を取得したことで、アイルランドの最高品質のムール貝のプレミアム市場へのアクセスが確実なものとなります。この部門は持続可能で、大きく拡大する余地があり、MSC認証によって消費者と投資家も自信を持てるようになります」。
MSCのアウトリーチマネージャーのクレア・ペスコッドは、次のようにコメントしています。「これはアイルランドと北アイルランドのムール貝漁業による極めて重要な成果です。それぞれの国の政府と企業による国境を越えた協力体制は、漁業の長期にわたる持続可能性と、水産業および沿岸コミュニティの持続可能性を確実なものとするために、政府がいかに協力し合うことができるのかを示した素晴らしい実例となります。これを成し遂げたこのムール貝漁業者の皆様にお祝い申し上げます」。