Skip to main content

MSCの最新ニュースをご紹介するプレスリリースです。

MSCジャパンのプレスリリースをメールで受け取りたい方は、 こちらの登録フォームよりお手続きください。

西豪の遊漁組合と商業漁業者が協働し、世界初となるMSC合同認証を取得

・西オーストラリア州の遊漁組合と商業漁業が協働で世界初となるMSC合同認証を取得

・ワタリガニ(タイワンガザミ)資源の保護のために遊漁組合や商業漁業、政府、科学者が協力

・西オーストラリア州の認証漁業は甲殻類が続いていたが、今回ピールハーヴェイボラ漁業で、魚としては初めてMSC認証を取得。このボラ漁業は商業漁業によるもの

レジャーとしてのカニ獲りを楽しむ住民で組織された遊魚組合・レックフィッシュウェスト(Recfishwest)とマンジュラの商業漁業組合(MLFA)の協働により、本日、漁業管理における画期的な成果が実現しました。この2団体は、西オーストリア州漁業省の呼びかけに応じ、2008年より協力体制を敷き、ピールハーヴェイのワタリガニ漁業とボラ漁業の持続可能性を明確に打ち出すために、厳格な環境規準として世界的に認知されているMSC認証の取得を目指しました。認証審査はASI認定の認証機関であるSCSグローバルサービスの下、独立した第三者の専門家チームによって実施されました。

MSCアジア太平洋地域ディレクターのパトリック・カレオは、今回の成果について次のようにコメントしました。「MSC認証を取得するためにはあらゆる側面からの漁業管理が必要です。私たちは、ピールハーヴェイのステークホルダーが漁業の持続可能性と繁栄のために、全力で取り組む姿を見てきました。」
 
レックフィッシュウェストの最高責任者、アンドリュー・ローランド博士は、組合が認証取得のために奔走したことは、レクリエーションとしてのカニ獲りの重要性を物語っているとし、次のように述べました。

「商業漁業であろうとレクリエーションとしてのカニ獲りであろうと、関係ありません。これからもずっと健全な漁業を見守って行くためには、一致団結しなければならないことを私たちはみな理解しています」。

西オーストラリア州政府は、州内の50の商業漁業が第三者によるMSC認証審査を受けられるよう1,450万豪ドルの予算を組み、審査費用の助成を行っています。この制度を利用して認証を取得した漁業はこれで3例目となります。

商業漁業者としてMLFAの会長を務めるダミアン・ベル氏はMSC認証を取得したことで、自分たちの操業方法が長期にわたって持続可能なものであるという確証を地元住民に与えることができるとした上で、更に次のように述べました。

「ピールハーヴェイの漁業者にとってMSC認証の恩恵は市場プレミアムだけではありません。私たちMLFAの商業漁業者はMSCを通じ、資源および海洋生態系への影響に十分に配慮した、持続可能な漁業であるという社会的認知を得ることができました。これは今後も漁業が繁栄していくために不可欠なことであり、地元で獲れる新鮮な水産物を求めるお客様にも、持続可能な水産物であるという確信を持って頂けるのです。」

今後、西オーストラリア州のピールハーヴェイで獲れるボラは、MSCの青いエコラベルを付けて販売されるようになります。これは地元で獲れる持続可能な水産物を提供したいと考えているシェフやレストランにとっても朗報です。

MSCのパトリック・カレオは最後に次のように述べました。「漁業の保全において、レジャーとしてのカニ獲りは大きな役割を果すことができます。遊漁と商業漁業が協働でMSC認証を取得したことは正に合同管理の最優良事例だと言えます。」

MSC認証漁業は今や世界で約290に増え、天然魚の総水揚げ量のおよそ10%を占めるまでになりました。今回、ピールハーヴェイ河口漁業が仲間入りを果したことで、オーストラリアのMSC認証漁業はこれで11に増えました。

MSC規準は資源の健全性、海洋環境への影響、および漁業管理を3つの柱としています。この3原則への準拠を審査するのは独立した第三者認証審査員です。MSC認証取得漁業は引き続きモニタリングを受け、年次監査に加えて、5年毎に再認証審査を受けなければなりません。2000年以降、漁業の操業および環境管理において615を超える改善措置が実施されました。