MSC環境インパクト報告書2017発表:国連の持続可能な開発目標(SDGs)の達成における漁業認証の重要性を指摘 — Marine Stewardship Council
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MSC環境インパクト報告書2017

MSC環境インパクト報告書2017

MSC環境インパクト報告書2017発表:国連の持続可能な開発目標(SDGs)の達成における漁業認証の重要性を指摘

2017年06月01日

本日、海洋管理協議会(MSC)は、持続可能な水産物の認証が、海洋資源の保全にどのようなインパクトを与えているかを包括的に分析した最新報告書「MSC環境インパクト報告書2017」を発表しました。この報告書では、海洋資源および生息域の保全に向けた認証漁業による1000件を超える取り組みについての分析が紹介されています。

認証漁業および非認証漁業の資源データをサンプリングした結果、MSC認証漁業が対象としている資源は健全な状態にある、もしくは回復に向かっていることが明らかになりました。総体的に見ると、認証漁業が対象としている個体群は、認証取得後に増加しており、非認証漁業と比較して、資源の持続可能性の変動が少ないことが示されています。

国連の持続可能な開発目標(SDGs)の 14番目の目標である、海洋資源の保全および持続可能な利用の実施を呼びかけるため、6月5日から、ニューヨークで、国連海洋会議が開催されます。MSCの報告書は、それに先駆け、信頼性の高い認証プログラムが、漁業の改善を促進し確保するための強力なツールであるという証拠を政府、業界、NGOに提供するものです。

MSC最高責任者のルパート・ハウズは次のように述べました。「MSCのプログラムは責任ある海洋管理を認知、推奨しています。MSCの設立から20年が経ちますが、認証漁業の総水揚げ量は、世界の総水揚げ量の12%を占めるまでになりました。認証漁業は、健全で適切に管理された資源を対象としています。また、業績を更に向上させるための取り組みによって、海洋生息域と生態系の保全にも努めています。」

MSC認証漁業による天然魚の漁獲量は、現在、世界の総水揚げ量の12%ですが、MSCでは2020年までに20%にすることを目標に掲げています。適切なインセンティブや改善措置によって、持続可能な開発目標を達成できることが報告書で明らかにされています。

生息域および生態系の管理における変革

MSCプログラムに参加している漁業の94%は、認証を取得、または維持するために何らかの業績改善措置に取り組んでおり、この16年間で合わせて1,200以上の改善がなされていることが報告書に記されています。その中の39の漁業が行った117の改善措置は、生態系の状態、漁業管理および情報の改善に寄与しています。MSC認証漁業は、生態系への理解を深め、影響を軽減するために、新たに46の科学研究プロジェクトに携わっています。

その一例として報告書に挙げられているのが、グリーンランドの冷水性エビ漁業が行った、生息域保全のための大規模な取り組みです。この漁業は、海底生息域に関する情報が不足していたため、ロンドン動物学会と恊働で研究プロジェクトを立ち上げました。その結果、豊かな生態系が発見され、ウミエラを保護するための革新的な措置に試験的に取り組むとともに、重要なサンゴや海綿を保全するための海洋保護区を設置することになったのです。

MSCの科学・規準ディレクターのデビッド・アグニュー博士は、次のように述べています。「この20年間、MSCは科学的な研究を推進するために取り組んできました。漁業に関する科学と管理は絶えず進化しています。そのため、MSCでは、漁業科学における最優良事例を反映させるために、漁業規準の定期的な見直しを行い、規準を更新しています。2014年に発行されたMSC漁業規準の改訂版では、生息域の保護に関する要求事項が大幅に追加されています。」

これまでに18の認証漁業が、海底生息域への被害を軽減するために操業区域と漁法を変更しており、なかには、認証を維持するために自主的に禁漁区を設けている漁業もあります。

堅固なサプライチェーン

漁業の持続可能性を確実なものにするだけでは十分ではありません。MSCでは、漁業から消費者までの認証水産物サプライチェーンのトレーサビリティを確保するため、加工・流通システムにおける整合性を検証するCoC認証制度を設けています。2016年にMSCは、イギリスの122のフィッシュ・アンド・チップス店舗で販売されている魚のDNA検査を独立第三者機関に依頼しました。その結果、MSC CoC認証を取得している店舗での誤表示はわずか1.64%であったのに対し、非認証店舗における誤表示は8%を超えていました。2009年以降に行われた総合的なDNA検査の結果、誤表示の世界平均は30%であったのに対し、MSC認証水産物の誤表示は1%以下と極めてわずかでした。

海洋のため、未来のために

MSC漁業認証の本審査に入る前に、任意の予備審査を受けることができますが、半数以上の漁業は12ヶ月以内に本審査に進むことができません。これは認証の要求事項を満すための業績改善が必要であることを示唆しています。

MSC環境インパクト報告書2017では、世界の主要な海洋生態系における認証漁業の所在地を地図上に示し、地球の生物多様性にとって重要な海域でのMSC認証漁業の割合を表示しています。こうした地図から、小規模漁業、特に途上国における漁業の持続可能性を支援する必要性が見えてきます。MSCは認証取得に向けた漁業の取り組みを支援するために、新たなツールの開発や科学的調査に力を入れています。

私たちのイニシアチブをより効果的にするために、SDGs達成に不可欠な認証制度のようなマーケット主導の動機付けの仕組みが、今回の国連海洋会議の場において支持されることを願っています。消費者の方々も、MSCの「海のエコラベル」を表示した水産物を購入することで持続可能性への取り組みを支援することができます。6月8日の世界海洋デーは、誰もが参加できる記念日です。

SDG14に向けたMSCの取り組みはこちらからご覧いただけます
MSCのプログラムは、パートナーシップおよび持続可能な水産物のサプライチェーンの推進にとって有望なツールであるということが、国連のパートナーシップ対話のためのコンセプトペーパーで認められています。

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