20周年を迎えたMSCが2020年までの中期計画を発表 — Marine Stewardship Council
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20周年を迎えたMSCが2020年までの中期計画を発表

2017年04月25日

海洋管理協議会(MSC)は、設立20年をむかえ、未来に向けての計画を作成しました。この計画には、2030年までに世界の漁獲高の1/3以上をMSC認証もしくはそれに類するものにしたいという、MSCの目標も含まれています。MSCの目標は、MSC認証漁業への価値を引き続き提供しながら、開発途上国、生物多様性保護の観点から優先的に保護すべき広域海洋生態系区域(LME)、そして優先市場や魚種、消費者への関与と影響を強化することです。

MSC中期計画の枠組み発表は、今日までの組織の変遷の歴史が反映されていますが、英国の通信社所属の中立的なジャーナリストによる「サステナブル・シーフード:20年のあゆみ(Sustainable Seafood: the first 20 years)」では、MSCの成り立ち、挑戦、今日までの軌跡が詳述されています。

MSCのCEOであるルパート・ハウズは次のように述べています。「20年前、持続不可能な漁業の課題に取り組むためにWWFとユニリーバが開発した大胆な新しいアイデアが、MSCでした。この両者は、信頼できる第三者認証とエコラベル認証制度を通じて、水産物の生産者と消費者をつなぐ市場ベースの仕組みの構築を望んでいました。このプログラムは、既存の優良事例を認識し報奨し、将来的に健全な海洋および水産物の供給を確保するために、必要に応じて厳しい指摘などの刺激を与え、現実的で永続的な変化を促すものです。この20年にわたる大胆な改革は、検証済みの概念となり、世界の持続可能な水産物への取組みが、この変革を推進するために、すべてのステークホルダーと協力できる環境を作り出せるようになりました。

過去に学ぶ

この著作では、MSCが新しい科学と業界の優良事例を取り入れてガバナンスを強化し、ステークホルダーの懸念に対処していった道のりを、詳しく述べています。多くの組織の支援のおかげで、MSCは持続可能な水産物の認証制度として最も広く認知されることになりました。

初期の認証漁業として、西オーストラリアのロブスター漁業、アラスカのサケ漁業、そしてニュージーランドのホキ漁業があげられます。これらの漁業者の努力は、国際的な小売業者およびブランドによる取組みによって認知され、恩恵を受けました。MSCはまた、デビッド&ルーシー・パッカード財団、ウォルトン・ファミリー財団、オランダ郵便番号くじ、そして他の多くの団体からの寄付と絶え間ない支援を受けることが出来ました。

今日、世界の総漁獲量の12%がMSC認証漁業によるものです。MSC認証漁業は、健全な水産資源を管理し、環境への影響を最小限に抑えるための実証可能な改善をもたらしました。

ルパート・ハウズは次のように続けています。「先導的な役割の実践と、パートナーによる取り組みのおかげで、改善例の増加が証明されています。設立20周年の記念にあたり、認証漁業をはじめ、サプライチェーンに関わる多くの水産業界関係のCoCホルダーの方々、認証機関、そして第三者のプロセスに従事し、堅固で信頼できる成果を保証するNGOなど、すべてのパートナーに感謝いたします。

ルパート・ハウズはさらに続けて、次のように述べました。「MSCが、持続可能な水産物の混沌とした世界の中で活動していくために、時間、活力、専門知識を提供しMSCの運営に関わった方々と、資金を提供してくださった方々に感謝申し上げます。これまでの道のりは平坦なものではありませんでしたが、その過程で得られた多くの学習、取捨選択、そして改善により、MSCを目的にあったものにして、私たちの海洋に関する共通のビジョンをより確実により多くの人々に提供することができるようになりました。

2020年までのMSCの中期計画

持続可能な漁業の認知・報奨と、世界的な改善の励行:現在、世界の水産漁獲量の14%がMSC認証プログラムに参加していますが、MSCは、2020年までにこの数値を20%、2030年には3分の1以上に引き上げることを目指します。この目標を達成するために、現状ではMSCのプログラムに一部しか参加していないものの、水揚量も生物多様性に対するリスクも高い生態系(魚種や海域)を焦点に置きます。カツオ・マグロ類と小規模な魚種に加えて、新たな優先種にイカ、タコ、カニ、海藻が含まれることになります。MSCはまた、開発途上国の漁業がMSC認証を目指すための新方策を提供する予定です。今後3年間で、MSCは、認証プログラムに参加する開発途上国の漁業数の倍増を目指します。

MSC認証が信頼できるものであり、最良事例を反映していることを保証:MSCは、持続可能な漁業管理における世界的な最良事例を、引き続き確実に達成するための努力に重点を置いていきます。例えば、労働慣行などの新しい措置やデジタル監査ツールなどの認証プロセスを、より効率的で、信頼性が高く、使いやすいようにするため、新しい方法やシステムを導入する予定です。

持続可能な水産物市場の開拓と拡大:MSCは、主要なビジネスパートナーとの結びつきを深め、水産資源の変化を促進するための最も強力なきっかけをもたらす市場での需要の構築に注力します。これは、ドイツ、イギリス、フランス、スペインそしてイタリアといったヨーロッパ市場だけでなく、アメリカ、中国、そして日本市場も含みます。

一般市民の意識と支援を構築し、科学と影響を実証:MSCは科学的な取り組みと調査研究を強化し、モニタリングと審査システムを改善し、より広く海洋科学と政策コミュニティに関与していきます。また、持続可能な水産物に対する消費者の需要を理解するための研究への投資を継続し、持続可能な漁業とMSCのエコラベルに対する一般の意識と支援を構築するためのキャンペーンを実施します。

ルパート・ハウズは次のように締めくくっています。「このように評価すべき点がある一方で、持続不可能な漁業に取り組み、持続可能な開発目標を達成することに対する緊急性も高まっています。私たちの海は危機に瀕しているのです。MSCの新しい中期計画では、海洋の健全性に最も大きな影響を及ぼす可能性のある領域、魚種、市場を最優先に考えています。私たちは、過去の教訓をふまえて創立者のビジョンに忠実にあり続けます。

MSC 20年のあゆみ

サステナブル・シーフード:20年のあゆみ」は、英国の通信社、プレス・アソシエーション所属のコンテンツ制作会社であるスティッキー・コンテンツ社の設立者の1人であるダン・ブロンゼル氏によって執筆されました。

経験豊富な雑誌ジャーナリストであり、英国のサンデー・エクスプレス紙のコラムニストも務めていたブロンゼル氏は、次のようにコメントしています。「持続可能な水産物に対する取り組みの推進は困難なものですが、過去20年間で大きな進歩を遂げています。これはMSCという厳格さと不屈の精神を持ち合わせた組織でなければ、成し得なかったことでしょう。MSCは、漁業者、小売業者、NGO、科学者、水産専門家、シェフ、慈善活動家、そしてもちろん消費者といった異なる対象を結びつけるために、根気強く活動してきました。彼らの立場の違いにかかわらず、皆が恩恵を受けることができる共通の目標を追求するために、すべてのステークホルダーを奮い立たせてきました。この複雑で魅力的な物語のすべてを語るための取材をする時はいつも、MSCに関わる人々の情熱や献身、専門性がもたらした持続可能な水産物への取り組みの始まりに感銘を受けていました。」

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