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MSCとASCが協働で海藻規準を策定

海洋管理協議会(MSC)と水産養殖管理協議会(ASC)は本日、ASC・MSC共通の海藻規準を発表いたしました。2つの認証プログラムが、持続可能な漁業と責任ある水産養殖という、それぞれの専門性を活かし、協働して規準を策定したのは初めてのことです。

環境に配慮した、持続可能で社会的責任を果たす海藻養殖および天然海藻収穫の規準を策定するため、MSCとASCは2年以上前から協働してきました。その結果として、それぞれの規準策定および水産物認証プログラムの経験を活かした規準を完成させることができました。持続可能で社会的に責任ある海藻生産を認知・報奨することにより、海洋環境の保全、そして海洋環境に頼って生計を立てている人々の暮らしを守ることが期待されています。

ASCのCEOであるクリス・ニンは次のように述べました。
「MSCとASCの協働と緊密なコラボレーションが実を結び、初の共通規準の策定に至ったことを嬉しく思います。海藻は世界中でますます重要な製品になってきています。海藻生産における最優良事例を推進するための規準の策定は、急成長している海藻生産による環境への影響を軽減し、海藻生産に携わる人々やコミュニティーがその恩恵を享受できるようにするための重要な一歩です。今後もMSCと協力し、共通規準の成功のために尽力していきたいと思っています。」

「海藻は、食品をはじめ、化粧品、医薬品、肥料など、幅広い製品に使用されています。沿岸コミュ二ティーにとって重要な資源であるばかりでなく、世界的に急成長する海藻産業を支えています。」と語るMSCのCEOであるルパート・ハウズは、続けて次のように述べました。「海藻は二酸化炭素を大量に吸収して気候調整を行う一助となり、重要な生態系を構成し、海岸を浸食から保護する働きを担っています。沿岸コミュニティーと環境のいずれもが豊かになるような方法で海藻を収穫していくことが求められています。新しい規準により、責任ある海藻生産者は国際的に認知され、日々の努力に対する恩恵を享受する機会を得ることになります。」

環境の持続可能性および社会への責任を保障

ASC・MSC海藻規準は、環境および社会への影響を最低限に抑えることを目標としています。海藻生産者が認証を取得するためには、天然個体群の資源量を持続可能なレベルで維持し、周辺の自然環境への負荷を最低限に抑えるために積極的に取り組んでいることを実証するだけでなく、社会的に責任のある、適切な方法で管理が行われ、労働者を公平に扱い、地域コミュ二ティーと良好な関係を維持し、その一員として良識ある行動をとっていることを実証できなければなりません。

この規準は科学的知見および海藻生産における最優良事例に則ったものであり、堅固で効率的な審査の枠組みを提供するものです。世界各地におけるあらゆる規模の天然海藻資源の収穫と水産養殖に適用することができます。また、最優良事例に向けたベンチマーキングおよび改善を促すツールとしても、活用することができるものです。

認証を申請する生産者は、認定された独立した第三者である認証機関による審査を受け、最大で33の業績評価指標への適合について検証されます。

トレーサビリティによる透明性の高い調達

ASC・MSC海藻規準は、既存のMSC CoC規準を適用することで、効果的なトレーサビリティ・システムがサプライチェーン全体を通じて確実に講じられていることを、保証します。

CoC認証は、MSCまたはASCのラベルを付けた製品が、認証された持続可能で責任ある生産者によって供給されていることを、消費者に対して保証するものです。

現在、MSC CoC認証を取得した企業は世界で3,700社を超えるまでになり、42,000を超える現場が認証されています。世界の66ヵ国で1,300を超えるCoC認証企業が、ASC認証水産物を扱うようになりました。