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国連SDGs(持続可能な開発目標)は、貧困のない、平和で持続可能な世界を実現するために国連が定めた17の目標です。MSCプログラムに参加することで、少なくとも5つの目標に貢献できます。また、政府と企業はこれらの目標への貢献を測る際にMSCのデータを使用することができます。

SDGsは政府や企業、非営利団体、そして世界中の人々が一体となり、世界をより良くしようと協力するための枠組みや、将来についての共通のビジョンを提供します。MSC認証は、各国政府や団体がSDGsの進捗、特に目標14「海の豊かさを守ろう」を測る際の指標として活用されています。

目標14は最も達成が難しい目標であり、その重要性にもかかわらず達成に遅れが見られるとMSCは認識しています。2030年までのSDGs目標達成期限まで折り返し地点を通過しましたが、目標14の達成まで間近な国はありません。

2020年の世界サステナビリティ・フォーラムで提示された研究では、MSCプログラムが5つの目標の達成を促進していることが示されました。MSCプログラムは目標14「海の豊かさを守ろう」だけでなく、目標2「飢餓をゼロに」、目標8「働きがいも、経済成長も」、目標12「つくる責任 つかう責任」、目標17「パートナーシップで目標を達成しよう」の達成への取り組みを支援するものです。

国連SDGsの、目標14「海の豊かさを守ろう」、目標2「飢餓をゼロに」、目標8「働きがいも、経済成長も」、目標12「つくる責任 つかう責任」、目標17「パートナーシップで目標を達成しよう」のアイコン画像

海洋と海洋資源を保全し、持続可能な形で利用する(目標14)

世界の海が生命にあふれ、現在そして将来の世代にわたり水産物の供給が守られること、これがMSCのビジョンです。MSCの認証プログラムは、海を救うための重要なツールのひとつとして国連でも指標として活用されています。

目標14の実現を約束することは、以下のような取り組みとMSCの努力を結びつけます。

  • 過剰漁獲を終わらせる
  • 水産資源を回復させる
  • 生態系の保護
  • IUU(違法・無報告・無規制)漁業を終わらせる

※国連海洋会議(2017年)で発表された、MSCの海洋保全のための自発的な取り組みを読む(英語)'Incentivising Sustainable Fisheries Through Certification'

食糧安全保障とディーセント・ワーク(目標2・目標8)

MSC認証漁業は、ただ自然環境を守っているだけではありません。飢餓をなくし持続可能な経済成長を目指すという国際的な目標の達成にも貢献しています。

世界の約30億の人々にとって、水産物はタンパク質の主な供給源です。長期的に食糧を確保し続けるためには、水産資源の回復と維持が不可欠です。

また、MSC認証を取得した結果、多くの漁業者が、新規市場への参入や市場価格の上昇などの経済的な効果を実感しています。例えば、南アフリカのヘイク漁業は、認証取得によって、最大12,000人もの雇用を支えています。


ディーセント・ワークとは、1999年に国際労働機関(ILO)総会において21世紀のILOの目標として提案され支持された働きがいのある人間らしい仕事のこと

持続可能な消費と生産のパターンを確保する(目標12)

MSC「海のエコラベル」のついた製品を選べば、適切に管理された、持続可能な漁業を応援することができます。MSC認証水産物の需要が高まれば、小売業者が持続可能な漁業で獲られた水産物をさらに仕入れるようになり、その結果、より多くの漁業が改善されたり、認証を取得することができるようになります。

MSC「海のエコラベル」付きの製品を選ぶことで、適切に管理された、持続可能な漁業を応援することになります。消費を通じて、誰もがSDGs達成に貢献できるのです。

持続可能な開発に向けてグローバル・パートナーシップを活性化する(目標17)

MSCのような信頼性の高い認証制度は、企業や政府がSDGsを達成するのを支援するうえで重要な役割を担っています。それぞれの業界における「よい実践」のガイダンスを示し、行動のための道筋を示します。

MSCのプログラムでは、科学に基づく持続可能な漁業の原則、規準、進捗管理手法の立案や実施のなかで、企業、NGO、政府が協働することになります。利害対立の可能性のある関係者による前向きな協力関係を生み出すMSCのアプローチは、国際的に認められています。

2017年には、MSCが主導するリーダーズ・フォー・リビング・オーシャンにおいて、水産に携わる世界の大手企業27社が、持続可能な水産物の調達と提供について公約を出しました。

※WWFとISEAL によるレポート「SDGsとビジネス:信頼ある基準は2030年までにどのように企業を後押しできるか」を読む(英語)

“海洋の問題が国境や法制度を超えて起きている今、水産資源のサステナビリティに関するグローバルな規格は、広大な海を守り持続的に管理していく上で重要な手段です。”

WWF・ISEAL

レポート「SDGsとビジネス:信頼ある基準は2030年までにどのように企業を後押しできるか」

国連にデータを提供

MSCのプログラムは、国連SDGsのほかにも、生物多様性損失への取り組みに向けた国際的な指標として国連に認められています。

2022年の国連の生物多様性条約締約国会議(COP15)で、MSC認証取得漁業による漁獲量およびサプライチェーンに関するデータが、「昆明・モントリオール世界生物多様性枠組」の2つのターゲットに関連した公式指標の中の3つの指標となりました。

生物多様性条約(CBD)の締約国によって策定、協議されたこの新しい合意は、2030年までに生物多様性の損失を阻止し、2050年までに回復させることを目標にしています。

MSC「海のエコラベル」とは

MSC「海のエコラベル」とは

MSC「海のエコラベル」は、水産資源と環境に配慮し適切に管理された、持続可能なMSC認証漁業で獲られた天然の水産物の証です。

生物多様性と漁業

生物多様性と漁業

MSCプログラムは水産資源に配慮し、混獲など生態系への影響を最小限に抑え、適切に管理された漁業を推進することで生物多様性の保全に貢献しています。

MSCがわかるリーフレット

MSCがわかるリーフレット

MSC「海のエコラベル」やMSCの取り組みをわかりやすく紹介したリーフレットをダウンロードいただけます。