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MSCのステークホルダーにとって最大の懸念は過剰漁獲と気候変動であることが調査で判明

stakeholder survey 2025

MSC(海洋管理協議会)が世界各国のステークホルダーを対象に行った調査の結果、海に対する最大の脅威は、海洋汚染と並び、水産資源の枯渇と気候変動による影響と考えられていることが明らかになりました。

このステークホルダー調査は、異なる市場やセクターにおけるMSCの認知を把握し、ステークホルダーの支援やMSCプログラムの強化につながる改善点を明らかにすることを目的として実施され、さまざまな国と幅広い分野から1,100名を超える回答がありました。

肯定的なフィードバックと高い信頼

フィードバックは概して肯定的な内容であり、ステークホルダーが最も懸念している課題と、MSCの優先事項である、過剰漁獲の根絶による健全な海洋環境の推進および持続可能な水産物の促進において、見解の一致が見られることがわかりました。

MSCは各国のステークホルダーから高い信頼を得ており、その77%が「MSCは過剰漁獲の根絶に貢献する信頼できる組織である」と回答しています。この比率は2021年の前回調査から11%増加しており、MSCにとって励みとなる結果です。

ステークホルダーは、MSCの信頼を高める主要因として、科学的根拠に基づく世界的に認知された認証規格であることと第三者機関による審査プロセスを挙げています。また、ステークホルダーの大多数(80%)は、MSCについて好意的に話すと回答しています。

野心的な目標と障壁の認識

MSCのビジョンとミッションの達成能力に対する信頼もまた高い水準にありました。MSCは、過剰漁獲の根絶と、2030年までに世界の天然水産物漁獲量の3分の1以上をMSCプログラム参加漁業(※)によるものにすることを目指しています。これは、海洋に関係するさまざまなステークホルダーとの協働が求められる野心的な目標です。

調査結果からは、過剰漁獲の根絶に取り組むMSCの能力に対する障壁として認識されている点も明らかになりました。回答者の半数以上が、認証の取得コストと複雑さが最大の課題だと考えています。この認識はほとんどの地域、セクターにおいて一貫しており、特に漁業およびサプライチェーンに関係するステークホルダーの間で顕著でした。

回答者の4分の3以上が「MSCは、持続可能な漁業に関する厳格な規格を策定し、効果的な漁業管理を促進している」という意見に同意する一方で、2021年以降、MSC漁業認証規格とMSC CoC認証規格に対する満足度が低下していることも明らかになりました。

低下の原因はこの調査結果において特定されていませんが、課題に対応しつつMSCプログラムの有効性を確保し、持続可能性において意図した通りの成果を上げるために、MSCでは現在CoC認証規格および漁業認証規格の主要要求事項の見直しを進めています。

MSCのNGOエンゲージメント責任者であるサイモン・クリップスは次のように述べています。「多くのステークホルダーの皆さまにご回答いただいたことを、大変うれしく思います。多大なるご協力に深く感謝申し上げます。
MSCについてステークホルダーの皆さまがどのように考えているのかを把握し、改善が必要な分野を特定していくことは、海洋の健全性に向けた改善と過剰漁獲の根絶という共通の目標を目指し、MSCプログラムおよびステークホルダーの皆さまとの関係を強化するために大変重要です」

今後の展望:2030年に向けた改善と目標

今後4年間はMSCが2030年の目標の達成に向けて取り組むうえで極めて重要な期間であり、この調査結果は、MSCプログラムの向上と進展において重要な役割を果たすものとなります。

この調査は、2025年7月から9月にかけて10の言語で実施されました。ステークホルダーはオンラインで回答しました。MSCは、調査プロセスの独立性と厳格性を確保するために、大手調査・コンサルタント会社であるグローブスキャン(GlobeScan)に調査を委託しました。

※MSCプログラム参加漁業とは、認証取得、認証審査中、MSC漁業認証取得に向けた改善プログラム参加、認証一時停止中の漁業を指します。