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震災後に生まれた宮城の漁業、持続可能性で国際認証を取得

-東北初のMSC認証漁業-

宮城県塩釜市に本社を置く明豊漁業株式会社の一本釣りによるカツオとビンナガマグロ漁業が、持続可能な漁業として海洋管理協議会(MSC)の認証を取得し、東北地方で初のMSC認証漁業になりました。日本では、京都のアカガレイ漁業、北海道のホタテガイ漁業に続く3つめのMSC認証漁業となります。

東北地方の漁業にとって新たな一章となる今回の認証取得は、協力や勤勉、努力が水産資源を回復させる原動力となることを示し、この地域において漁業で生計を営む人々に希望を与えるものです。

明豊漁業株式会社は、2011年3月の東日本大震災後の2012年に、宮城県塩釜市で設立されました。親会社の株式会社明豊は、冷凍カツオ・ビンナガマグロを主原料とした水産加工品の製造販売を行ってきましたが、震災後に再稼動する際、原料のカツオの確保が課題となりました。この問題を解決するため(株)明豊の松永賢治社長は、明豊漁業株式会社を設立し、持続可能な一本釣りの漁業を開始しました。そしてこのたび明豊漁業は、東日本大震災の被災地となった東北地方を拠点とする漁業として初となるMSC認証の取得に至りました。

漁業者のコメント

明豊漁業の松永賢治社長は、「震災後に感じた、持続可能な水産品を販売していかなければならないという思いがこの漁業を始めたきっかけとなったので、このたびMSCの漁業認証を取得できたことを大変喜ばしく思っております。今回の認証に先立ち、親会社である水産加工会社の株式会社明豊もCoC認証を取得しましたので、今後は明豊漁業の持続可能な一本釣りのカツオとビンナガマグロをさらに市場に普及させていくつもりです」と述べています。

認証取得に向けた審査において、明豊漁業はMSCの漁業規準を満たし、その持続可能性を証明しました。世界屈指の信頼性と厳格さで広く認知されているMSCの漁業規準は、資源の持続可能性、漁業の環境への影響、管理システムの3つの原則で構成されています。今回の審査は、第三者認証機関であるアコーラ・マリン(Acoura Marine)により厳格に審査されました。

MSCのコメント

MSC日本事務所プログラム・ディレクターの石井幸造は次のようにコメントしました。「認証取得を目指しご尽力された明豊漁業ならびに松永社長に心からお祝い申し上げます。この度の認証取得が、明豊漁業の今後の発展につながるとともに、適切に管理された持続可能な漁業の重要性に対する認識が日本でもさらに高まることを期待しています。」

明豊漁業の2隻の一本釣り漁船は、年間約3,000トンのカツオとビンナガマグロを漁獲しています。