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6月8日「世界海洋デー」に向け、MSCジャパンがプレスセミナーを開催

海の生き物と同様にボクの毛量も増えてほしい!?
ココリコ・田中直樹さん 減少し続ける水産資源に警鐘を鳴らす
2050年30%~50%上昇する魚の予想価格に驚愕 今、私達ができるサステナブルな行動とは

国際的な非営利団体MSC(海洋管理協議会)の日本事務所であるMSCジャパンは、6月8日の「世界海洋デー」に向け、「危機迫る水産資源 ―将来の世代まで残していくには―」をテーマに、6月1日(火)、オンラインプレスセミナーを開催しました。
本セミナーでは、MSCの活動や、水産資源に関する意識調査結果の発表、6月1日より開始した“小さな「海のエコラベル」を選んで、大きな海を守ろう”キャンペーンの紹介に加え、日本大学生物資源科学部食品ビジネス学科教授、大石敦志さんによる基調講演、キャンペーン動画に出演したMSCアンバサダーのココリコ・田中直樹さんを迎えたトークセッションなどを行いました。

2021年6月1日 MSCジャパンプレスセミナー

(左から)MSCジャパン鈴木夕子、大石敦志教授、ココリコ・田中直樹さん、MSCジャパン石井幸造

■プログラム

・MSCについて/キャンペーンのご紹介
 MSCジャパン 広報担当マネージャー 鈴木夕子
 ※キャンペーン特設ページ https://www.msc.org/jp/2021cp

・水産資源に関する意識調査結果の発表
 MSCジャパン 広報担当マネージャー 鈴木夕子
 ※水産資源に関する意識調査プレスリリース
 https://www.msc.org/jp/whatyoucandoJP/media-centre/press-releases/210601-2

・基調講演
 日本大学 生物資源科学部 食品ビジネス学科 教授 大石敦志さん

・トークセッション
 MSCアンバサダー ココリコ・田中直樹さん
 日本大学 生物資源科学部 食品ビジネス学科 教授 大石敦志さん
 MSCジャパン プログラム・ディレクター 石井幸造


■基調講演内容

日本大学 生物資源科学部 食品ビジネス学科 教授 大石敦志さん

日本大学 生物資源科学部 食品ビジネス学科 教授 大石敦志さん

2050年の予想魚価! マサバの価格が約1.5倍に(※)
今から約30年後の2050年には、2000年代の始めより30~50%ほど魚介類の価格が上昇するという予測結果が計測されました。また外部環境の変化やライフスタイルの変化も魚介類の価格上昇に関わっていきます。例えば、世界の物価水準の上昇や、世界の魚食の増加による需要と供給のバランスの変化などを考えると、もう少し価格が上がる可能性もあります。現状を認識し、一人ひとりが社会の一員として意識して行動することで、持続可能な漁業へとつながり、豊かな水資源を守っていくことに繋がっていきます。

2050年のマアジ・マサバ・スルメイカの予想魚価(小売価格)

■トークセッション

2021年6月1日 MSCジャパンプレスセミナー

<トークセッションに参加する、大石敦志教授、田中直樹さん、MSC石井幸造>

●田中直樹さん 「海の生きものと一緒にボクの毛量も増加希望!?」
「MSC特殊調査員を演じたキャンペーン動画を改めて観た感想は?」という質問に対し「まず動画を観て思ったのは、海の生き物と同じように、ボクの毛量も増やしたい」と冒頭から笑いを誘いながらも、水産資源に関しては熱い気持ちを語りました。「動画にあった、『3千円のお寿司が3万円に! サバが1万円』というのは、大げさではありますが、これからしっかりと水産資源を管理していかなければ、魚価の高騰が起こらないとは言い切れないと思っています。MSCアンバサダーになって知り、ショックを受けたのですが、この40年で海の魚が約50%減っているのです。これからも、今回のような動画など、皆さんにわかりやすく水産資源の危機的状況を伝えたいと考えています。」
 田中さん出演 キャンペーン動画
 https://twitter.com/MSC_Japan/status/1398126699624079361

●田中直樹さん 「情報源は近所の魚屋さん。適正サイズの天然魚確保が困難な状況も」
「普段の生活をしていて水産資源の変化など気になること、気づいたことがなどありますか」という質問に対し、「近所に老舗の魚屋さんがあり、そのご主人とよく話をします。獲れる天然の魚の量が減っているため、身近なサンマやサバなどおいしく食べられるサイズに育つ前に獲ってしまう状況があるのだとか。ご主人のお話からも、水産資源は今厳しい状況であることが伝わってきます」と、日常の中で水産資源の危機的状況を耳にする機会があると答えました。

●MSC石井幸造 「MSC『海のエコラベル』付き製品の需要拡大が、持続可能な漁業へ繋がる」
「MSCはどのようにして水産資源を守ろうとしているのか」という質問に対し、次のように答えました。「持続可能な漁業を認証し、消費者の人にエコラベルのついた製品を選んでもらうことで、適正な管理をした漁業のマーケットを拡大していきます。消費者からの需要があれば、小売業や外食企業などで、持続可能な漁業への取り組みが増え、結果、水産資源を守っていくことに繋がっていきます。」

●大石敦志教授 「製品を選ぶだけ。環境や水産資源を守る行動になる良い制度」
「MSC『海のエコラベル』についてどう思いますか?」の質問に、「とてもいい制度」と答え、次のように続けました。「環境や水産資源を守る意識はあっても、具体的な方法がわからない消費者がいます。MSCラベル付き製品を選ぶだけで、環境や水産資源を守る仕組みができていることが重要な点です。行動することで自分たちが社会貢献しているという意識を持つこともできます」と、MSC「海のエコラベル」を選ぶことで、水産資源を守ると共に、社会貢献意識もより高まると答えました。

●田中直樹さん 「MSC『海のエコラベル』付き製品、手に取ってみてほしい」
「MSCラベルの付いた製品は、どのようなものを購入していますか?」という質問に対し、MSC「海のエコラベル」を知ってもらいたい気持ちを語りました。「マクドナルドのフィレオフィッシュ、セブンプレミアムの辛子明太子などはよく購入しています。身近なスーパーやコンビニなどでラベル付き製品が売っているので買いやすいですね。それに、ラベル付き製品が高いということはなく、手に取りやすい価格。皆さんにも見つけたら手に取ってみてほしいです。MSC『海のエコラベル』製品に気がついていない人もまだまだいると思うので、もっと多くの人に知ってもらうことも大切だと思います。」

MSCアンバサダー ココリコ・田中直樹さん

●田中直樹さん 「ゴミを道に捨てない、エコバックを持つなど、まず身近なことから」
「海を守るために、まず消費者が今できることはどのようなことだと思いますか?」という質問には、日常生活の大切さについて話しました。「普段の生活ではエコバックを持つことや、食品トレーなどは洗って回収ボックスに入れるなど、身近にできることから取り組んでいます。また周りの人にも、海や魚の事情を広く知ってもらうように普段から海の話などもしています。例えば、海のゴミの約8割は街の中からでてくるゴミと言われています。道にゴミを捨てないなどは当たり前のことですが、そういう身近なことから意識していければと思っています。」

●MSC石井幸造 「サステナビリティは重要な価値になりつつある。それを支援するのがMSC」
「消費者がMSCを選択する際に提供できる付加価値は何だと思いますか?」という質問に対し、「ヨーロッパでは定着しているサステナビリティという価値観は、今、日本でも若い世代中心に関心が高く、近い将来、商品に不可欠な価値になると考えています。MSC『海のエコラベル』付き製品は、サステナビリティという価値観に合致した取り組みだと思います」とコメント。サステナブルな漁業の普及により未来の水産資源を守りたいとの思いを語りました。


水産資源の危機的状況について知っていただき、未来の豊かな水産資源を守るために日常生活でできることについて考えるセミナーとなりました。