スペインとポルトガルのまき網漁船団は、大西洋沿岸、イベリア半島周辺でヨーロッパマイワシを漁獲する漁業を対象としてMSC漁業認証を合同で取得しました。このような合同での漁業認証取得はこれが初めてとなります。
MSC漁業認証の取得は、両船団による持続可能性への取り組みが認められたということであり、消費者に対しても、環境的に持続可能な漁業で獲られたイワシであるという保証を示すことができます。
この認証取得は、漁業者、加工業者、流通業者を含む業界全体のバリューチェーンが協働で取り組んだことによって達成されました。認証には、スペインとポルトガルの計15の漁業生産者団体とこれら団体に所属する317隻の漁船(ポルトガル船籍が132隻、スペイン船籍が185隻)に加えて、ポルトガルの食品産業の主要な3つの団体が含まれています。
イベリア半島のヨーロッパマイワシはポルトガルとスペインにとって重要な水産資源であり、ビスケー湾からジブラルタル海峡にかけて分布しています。2025年のヨーロッパマイワシの漁獲割当量はポルトガルが34,406トン、スペインが17,332トンです。スペインでは3月に漁期が始まり、8月または9月まで続く見込みです。一方、ポルトガルの漁期は4月に始まり、通常11月または12月まで続きます。
以前、ポルトガルの漁船団は持続可能な漁業としてMSC漁業認証を取得していましたが、資源管理に関する課題のため2014年に認証が一時停止されました。その後、大幅な改善が実施されましたが、特に大きな改善は、2021年にポルトガルとスペインが合意した2026年まで有効の新しい複数年の管理計画です。この計画では、年間漁獲量、禁漁期間、稚魚漁獲の制限など、共有資源であるヨーロッパマイワシの持続可能で協調的な管理を確実にするための措置が定められています。
ポルトガルは2010年に、科学者、漁業管理者、漁業・水産業関係者、NGOが一体となった主要機関であるSardine Monitoring Commission(ヨーロッパマイワシモニタリング委員会)を設立しました。この委員会は、管理措置の継続的なモニタリングと適用において重要な役割を果たし、ヨーロッパマイワシの長期的な回復と保全に大きく貢献しています。