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バスクのペスカフリア-ペスクエラ ロドリゲス社がスペイン初のMSC認証を取得

MSC(海洋管理協議会)は本日、ペスカフリア-ペスクエラ ロドリゲス社がMSCの持続可能な漁業認証を取得したことを発表しました。これはスペインの漁業としては初めてのMSC認証取得であり、バレンツ海でのタラ漁業としてもEU初の達成となります。この発表会見には、漁業食品産業副地域相のヨン・アズケ氏、漁業養殖ディレクターのホキン・ディアズ氏らバスク自治州政府の代表、ペスカフリアのマネージャー、フランシスコ・ロドリゲス氏、そしてMSCヨーロッパ地域ディレクターのニコラス・ギシュー、MSCスペイン・ポルトガルのカントリーマネージャー、ラオラ・ロドリゲスらが参加しました。

MSCは、天然魚漁獲漁業において世界を主導する環境認証制度を運営しています。認定を受けた独立認証機関であるFCI(Food Certification International)の専門家チームが1年以上にわたってペスカフリアのタラ漁業についての調査、分析を行ない、持続可能な漁業資源(北東北極海のタラ資源)、海洋生態系への環境的影響、そして効果的な漁業管理というMSCの3原則に基づいて漁業を審査しました。

今回のペスカフリアの認証は、その専門性と海洋資源への配慮に基づく戦略が認められて与えられたものです。今回の認証取得により、ペスカフリア-ペスクエラ ロドリゲス社によって漁獲されるタラは、既に、MSCエコラベルを広く認知している北部ヨーロッパ市場や、急激に認知度が高まっているスペインでも、MSCラベル付きで販売することができます。
 
 ペスカフリアブランドで製品を販売しているペスカフリア-ペスクエラ ロドリゲス社は1940年に設立。本部をバスク国とガリシアに置く家族経営の会社です。ペスカフリアはスペインのタラの漁獲枠の27.5%、重量にしておよそ4,000トン相当を保有しており、これは国内最大の割当です。現在の主な市場はイギリスで、水産物製品と冷凍タラフィレを販売していますが、フランスやオランダ、ノルウェー、ポルトガルなどにも輸出されています。塩漬けタラや冷凍タラフィレなど少量がスペイン市場向に販売されています。

ペスカフリアのマネージャー、フランシスコ・ロドリゲス氏は、アラスカのスケソウダラ漁業の認証取得により、MSCの取り組みとエコラベルについて知りました。氏は次のように話しています。「MSC認証の取得は、持続可能だと真に証明された天然漁業水産製品のみを購入する必要性がますます認識されてきている輸出市場において、私たちの立場を強化してくれるものです。私たちが通常耳にすることに反して、また長年にわたる適切な管理のおかげで、北極海におけるタラ資源量は記録的なものとなっています。これによって私たちの食文化において大きな役割を果たしている魚の未来世代への供給が保証されるのです」。
 
バスク自治州政府の漁業食品産業副相のヨン・アズケ氏は「漁業資源と漁業の未来を保証する持続可能性」を呼びかけ、「正しい理解に基づいて漁業に関連する決定を行なうという目的のためにアズティテクナリア(AZTI-Tecnalia)で行なっている、海と海洋生物の科学的調査への徹底した取り組み」を強調しました。

 MSCヨーロッパ地域ディレクター、ニコラス・ギシューは次のようにコメントしています。
「世界の漁業の中でスペインは重要な役割を担っており、スペイン初となるペスカフリアのMSC認証取得は、MSCそして持続可能性にとっての大きな節目となります」
「統率力と先見の明を持ったペスカフリアのフランシスコ・ロドリゲス氏とこの申請を当初よりサポートしてくださったバスク自治州政府にお祝い申し上げます。増大する輸出市場の需要のためだけでなく、スペインのステークホルダーと消費者の持続可能な製品に対する関心の高まりに応えるために、多くのスペインの漁業がペスカフリアに続いてくれるものと確信しております」。

また、MSCのスペイン・ポルトガル担当カントリーマネージャーのラオラ・ロドリゲスは、次のように述べています。「スペイン初の漁業による認証取得はMSCにとっても大きな達成です。このことは、スペイン漁業が最も厳しい基準を満たすことができるということを示す重要なステップだと言えます。この認証がペスカフリアのビジネスを拡大させ、長期にわたる漁業管理の有効なツールとなるものだと期待しています」。

ペスカフリアについて

ペスカフリアは、50年代にタラ漁を始めました。1964年から冷凍加工船による漁獲を行ない、ペスカフリアブランドを設立しました。80年代にはこうした手法をタラ製品に用いるようになり、今では、冷凍タラが主な製品となっています。技術革新における継続的な努力、環境への配慮、品質へのこだわりがペスカフリアの特長です。その企業理念の基礎を成すのは、環境に対する敬意と責任ある魚種資源利用です。

スペインにおけるMSCの普及について

MSCは2011年よりスペインに事務所を設けていますが、漁業および加工や流通業界から注目を集めています。これまでにさらに3つの漁業がMSC認証審査に入っており、30もの企業が、エコラベル付きの製品を取り扱うことができるCoC認証を取得しており、MSCラベル付き製品の販売が可能です。MSCエコラベル製品はリドル、アルディ、エル・コルテ・イングレスをはじめとするチェーン店で買うことができます。
2012年1月、MSCはスペインでファンダシオン ビオディベルシダー(Fundación Biodiversidad)という新たな協力者を得ました。彼らとの共同活動においては、MSCプログラム参加に向けた漁業や企業へのはたらきかけ、情報セミナー、MSCラベル付き製品の開発を進める企業での意識向上および促進活動などが計画されています。