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ロシア・オホーツク海スケトウダラ漁業がMSC認証を取得

ロシア・オホーツク海のスケトウダラ(学名:Theragra chalcogramma)漁業が海洋管理協議会(MSC)認証を取得しました。独立認証機関インターテック・ムーディー・マリン(Intertek Moody Marine)による科学的な第三者による審査によって、この漁業は持続可能で適切に管理された漁業としてMSC規準を満たしていると評価されました。この漁業が漁獲する資源はオホーツク海北部に位置しており、1月から4月までと10月から12月までの2つの漁期で操業が行われています。ロシアの漁業の管理は連邦漁業庁(FFA)が中心的役割を担っており、オホーツク海のスケトウダラ漁業も連邦漁業庁が管理しています。

この漁業によるスケトウダラはフィレをはじめとする様々な製品に使われており、ロシア国内の市場及びアジアやヨーロッパにも供給されています。スケトウダラのすり身も国内及び輸出向けに生産されています。スケトウダラの魚卵は主に日本と東南アジアの市場に輸出されていますが、魚卵の缶詰は国内でも販売されています。2012年の漁獲可能量(TAC)はおよそ84万トンでした。

漁業者のコメント

ロシア・オホーツク海のスケトウダラ漁業は、極東ロシアにおけるスケトウダラの総漁獲枠の70%を超えるシェアを持つ45の漁業団体から成る漁業クライアントのスケトウダラ漁業者協会(PCA)により、漁業審査に入りました。PCAのエグゼクティブ・ディレクター、アレクセイ・ブグラック氏は次のようにコメントしました。「オホーツク海のスケトウダラ漁業が持続可能で適切に管理された漁業としてMSC認証を取得できたことを大変嬉しく思います。独立した科学的審査を受けましたが、異議申し立てプロセスを経たことで、認証の結果がより強固で確かなものとなりました。ロシア漁業管理及びPCAのメンバーは更なる改善のために尽力し、今回の成功に貢献してくれたロシアスケトウダラ持続可能連合(RPSA)および関連NGOと緊密に協力していくことを期待します」。

MSCのコメント

MSCアメリカ地域ディレクター、ケリー・コフリンは次のようにコメントしました。「海洋管理協議会はロシア・オホーツク海のスケトウダラ漁業が認証を取得した漁業となったことを心より歓迎いたします。審査プロセスにおいて、各方面の主要なステークホルダーが参加したことで、審査の結果がより強固なものとなり、科学的に厳密かつステークホルダーの参加をふまえた結果を得るための抑制と均衡のシステムが、MSCプログラム全体を通じて機能していることが実証されました。スケトウダラは世界の市場において貴重なタンパク源であり、PCAがこれらの市場に供給する水産物は、現在と将来の世代のために資源を守る漁業からのものだという確信を与えることになるでしょう」。

グローバル企業グループである、ロシアスケトウダラ持続可能連合は、PCAと協力してこの審査をサポートしました。イグロフーズグループの技術・持続可能性チーフオフィサーのピーター・ハジピエリス氏はグループを代表して次のように述べました。「オホーツク海のスケトウダラ漁業のMSC認証は私たちすべてにとって大変重要な意味を持つものです。私たちの目標は、国際的な協力を通じて独立した第三者による天然水産物の漁業認証による便益を深く理解し、それにより長期にわたり水産業に貢献できることを示すことでした。私たち、そして、ロシア・オホーツク海スケトウダラ漁業がMSC規準を満たすことを示そうとPCAを懸命にサポートしてくださったロシア連邦漁業庁の専門家の方々と共にこの成功を分かち合うPCAのメンバーの皆さんにお祝い申し上げます。私たちロシアスケトウダラ持続可能連合は、MSC認証を取得する過程の中の重要な段階で貢献してくださったMSCステークホルダーグループ、持続的漁業パートナーシップ(SFP)、世界自然保護基金(WWF)と引き続き協力していけることを期待します」。

ロシアスケトウダラ持続可能連合のメンバーにはイグロフーズグループに加えて、デルマール、FrOsta、ゴートンズ、ハイライナーフーズ、ピッケンパック、ロイヤル・グリーンランド、ヤング・シーフードも含まれています。

認証機関インターテック・ムーディー・マリン(IMM)はこの審査の中で、当該漁業が認証期間中に完了すべき、モニタリング及び監視員プログラムの強化に関する要求事項を含めた8つの改善点を特定しました。今後のこの漁業に関する情報の質を改善するために、ロシア漁業管理者及び科学研究員、国際的な専門家チームと協力し、水揚げ記録の対象、整合性、正確度の分析を一年以内に作成することになります。