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アワオーシャン会合に合わせて水産業界のリーダーが大胆な取り組みを発表

水産物のサプライチェーンに携わる世界の企業や団体が、マルタで開催されている欧州連合(EU)主催「アワオーシャン会合」(Our Ocean Conference)を支援するための取組みを共有しました。この2日間の会合では、海を持続可能に管理するための共同ソリューションと意欲的な取り組みを喚起することを目的としています。

海洋管理協議会(MSC)が主導する2020リーダーズ・フォー・リビング・オーシャンに、MSC認証の追跡可能かつ持続可能な水産物の供給や流通を増やすことに尽力する27の企業が集結しました。ここでは、300以上の漁業と、80の主要小売業者を含む3,000のサプライチェーン・ビジネスが、MSC規準を満たす認証水産物を生産・販売するという取組みを行っています。

MSCの最高経営責任者(CEO)ルパート・ハウズは、次のように述べています。「ビジネスにおいて主導し、行動していくことは、持続不可能であったり違法な漁業といったグローバルな課題に取り組むうえで基本的なものです。世界の漁業を変革し、健全で生産的な海洋生態系にするためには、経営の革新と責任ある管理体制が不可欠です。これらの素晴らしい取組みが示すように、持続可能性は先進的なビジネスの中心にあります。これらの取組みに関わるリーダーたちは、健全な海に関するビジョンを共有し、企業や地球に環境のためのアクションが重要であることを明確に認識し、行動していきます。」

意欲的な取り組みを表明しているMSCのパートナーの中には、日本の小売業者、イオンと日本生活協同組合連合会が含まれ、それぞれ2020年までに次の目標を掲げています。

イオンのコミットメント:「2020年までにイオン(株)連結対象の総合スーパー、スーパーマーケット企業で販売する水産物の20%をMSC及びASCラベル付き製品にすることを目指すとともに、CoC認証の100%取得を目指します(店内加工・包装を行わない店舗は除く)」

日本生活協同組合連合会のコミットメント:「水産部門のCO・OP商品(日本生協連PB)でのMSC認証商品の供給高構成比を現行の15%(金額ベース)から、2020年までにさらに高めます。そのために、国内外の産地や取引先と協力して認証商品を増やすようにします。また、MSCの認知を高めるため、消費者である生協組合員とのコミュニケーションを強化します。」

これらのコミットメントは、世界屈指の規模を誇る日本の水産市場を変革していく原動力となることでしょう。

ノマッド・フード・ヨーロッパ、カルフール、マクドナルド、IKEAなど、主要な多国籍企業による長年にわたる取組みは、MSC認証に勢いをもたせ、MSCプログラムへの新規参入者を奨励しました。本日、ノマッド・フード・ヨーロッパの漁獲の90%以上がMSC認証を取得しています。またカルフールは、2020年までに持続可能な供給源から2匹のうち1匹を販売することを目指しています。

目標設定は漁獲部門を持つ大手企業によって行われています。その企業の中には、参加する漁業の90%以上がMSC認証を取得し、海の改善を促進するという取組みを再確認している、デンマークの商業漁業を代表するデンマーク漁業生産者協会(DFPO)が含まれています。また、アイスランドの主要な水産物会社約50社を代表する、アイスランド持続可能漁業会(ISF)の現在の漁獲量の70%近くがMSC認証を取得しており、今後は、同国内の商業漁業によるMSC認証の取得率を100%にすることを目指しています。他の漁獲企業も、特定の漁業がMSC認証を取得するための取組みを発表しています。

ハウズは次のように続けています。「MSCは、水産物生産者と消費者、サプライチェーンを通じて、海から食卓までをつなぐ唯一メカニズムを提供しています。MSCは、自らの事業を改善し、この分野における変化の代理人として行動するために、持続可能性とビジネスパートナーをつなぎ、漁業を支援することを約束します。MSCは、引き続き、環境に配慮した持続可能な漁業のためのグローバルスタンダードの厳格さと堅固性を維持し、必要に応じて改善することに重点を置いています。 MSCは、パートナーと協働して、将来的に健全な海および水産物の供給を確保するために必要な場合に、真の永続的な変化を推進することに努めています。」

水産物業界のリーダーによって発表されたこれらの目標は、マルタの会議でも取り上げられているMSCの取組みに照らし合わせて作成され、2020年までに認証された水産物の割合を世界の天然漁獲量の20%まで引き上げるということで貢献していきます。これを達成するために、MSCは現行のプログラムでは過小評価されている生態系に焦点を当て、漁獲量と生物多様性への脅威が高い地域に注目し、開発途上国の漁業がMSC認証に移行するための新しいツールを提供します。

MSC認証漁業は現在、世界の天然漁獲量の12%を達しており、新たなデータでは、(2016年3月の66万点から2018年3月の73万点以上と)、MSC「海のエコラベル」付きの水産物量は、昨年だけで10%増加しています。MSC『2017環境インパクト報告書』では、MSCプログラムに参加している漁業の94%が、過去16年間で合計1,200以上の認証を取得または維持するために、少なくとも1つの改善を行ったことも記されています。認証を取得した漁業は全体的に、認証を受けてから数年後にはより多くの魚種を対象とし、非認証漁業と比較して、対象魚種の持続可能性の変動が少ないことも表れています。

MSCの科学に基づいた漁業規準は、マルタにある国連食糧農業機関(UNFAO)と世界水産物持続可能性イニシアチブ(GSSI)によって設定された国際ガイドラインを反映しています。MSC規準を満たす漁業は、独立した審査と定期的な監査を受け、最優良事例を継続的に達成するために、さらに改善を要するケースもあります。