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「MSC環境インパクト報告書」は、世界各国のMSC認証漁業による改善を明示化した資料です。2019年度は、環境への負荷を軽減するためにMSC認証漁業が行った改善措置の解析に焦点を当てています。
MSC認証を取得する漁業が審査を受ける際に、MSC漁業認証規格の「3つの原則」が用いられます。3つの原則に沿って、28の項目が得点化されます。80点以上であれば合格ですが、60点以上79点までの項目は「条件」として、改善のための取り組みの実施を前提に認証が与えられています。漁業がMSC認証を取得する際には、すでに高いレベルの持続可能な操業をしていますが、それでもまだ改善の余地はあります。「条件」の克服とは、漁業が認証審査の際に、その持続可能性について3原則から成るMSCの漁業認証規格を満たし、優良であるとされることを意味します。この「条件」改善のための取り組みが、多様な種に影響を与え、多彩な改善を生み出し世界の環境に良い影響をおよぼしているのです。
2016年から2018年の間に、MSC認証漁業は288の「条件」を克服しました。
原則2(漁業が生態系に与える影響)に関わる取り組みは、特に広く環境へのインパクトを及ぼします。克服した143の「条件」は、以下の4つのカテゴリーに区分されます。
60
35
34
14
1つの「条件」の克服が、複数の環境改善をもたらす場合もあります。例えば、禁漁区の設置は複数の種に影響を与えることもあります。
MSCの調査チームは、2016年以降に認証漁業が行った、環境への影響を軽減するための「原則2」に関連した改善を分析しました。すると、MSC認証漁業は幅広い種を保護し、インパクトを減らすための行動を実践していることが明らかになりました。
MSCプログラムに参加している漁業を地図上の点で表しています。4つのMSC認証漁業が実施した改善がハイライトされています。
マグロのはえ縄漁業による偶発的なサメの漁獲を削減するために、島国フィジーが先駆的な役割を果たしています。
アメリカ西海岸沖のホンホッコクアカエビ漁業は、LEDライトを使って絶滅危惧種の混獲を削減しました。
チリのコシオリエビ漁業の改善により、現地の生態系の科学的な理解を深めました。
ノルウェーとロシア沖のバレンツ海は、認証漁業による適切な管理によって、マダラの資源が回復しました。
審査のプロセスでは、改善がどこでなされたか、また漁業は解決策をみつけたかが焦点となります。
MSCのプログラムは、前向きな変革をおこす契機となる役割を果たしています。消費者が「海のエコラベル」のついた水産品を選ぶ時はこのプロセスに参加していることになり、世界の海の生き物を守る一端を担っているのです。
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