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ブルターニュのイワシ巻網漁業がMSC認証を取得

南ブルターニュのイワシ巻網漁業がMSC認証を取得し、フランスで2番目の持続可能で適切に管理された漁業に対するMSC認証取得漁業となりました。

MSCの環境認証とエコラベル制度は、世界で初めてFAO(国連食糧農業機関)の「海面漁業からの魚類と水産物のエコラベリングのためのガイドライン」に完全に沿って実施されているものです。

ブルターニュ巻網漁業協会(注1)の21隻の船と、巻網漁業操業ライセンス保持者(注2)は、今後、漁獲した水産物にMSCの青いエコラベルを付けることが可能になります。認証取得は、ブルターニュ沿岸でイワシ漁業が最盛期に入ったこの時期に発表されました。

沿岸季節性漁業

イワシ漁業は5月から10月までの間に行われ、90%の漁獲がこの時期に行われます。2009年における、同協会の年間推定漁獲量は、約20,000トンです。

この巻網漁業によるイワシは、主にサングエノーレ(50%)と、ドゥアルネレ(30%)の魚市場に水揚げされ、コンカルノーにはそれよりやや少ない量(15%)が、ロクトュディ、ル・ギルヴィネック、オディエルヌは残りの5%が水揚げされています。

巻網により漁獲されるイワシの殆どが10から20の等級(14センチから23センチの間)で、最小のサイズのものは主に缶詰用となり、最大サイズのものは鮮魚として扱われます。 

イワシ巻網漁業は沿岸より12マイルまでの領海で、排他的に管理されており、その結果、この漁業は沿岸漁業と見なされ、欧州共同漁業政策(CFP)の枠組みの下、ブルターニュ海事漁業・海洋養殖業の地域委員会によって管理されています。 

ブルターニュ巻網漁業協会のディディエ・グロアネックのコメント 

ブルターニュ巻網漁業協会のディディエ・グロアネックは、次のように述べています。「MSC認証を取得した漁業の一員に加わることができ、嬉しく思っています。我々の漁業のやり方が持続可能であると、独立した評価方法で証明するのは重要なことでした。また国際的に認知されたことは、自らの漁業を独立して管理している我が協会にとって、励みとなるものです。 

イワシ漁業は、実際は割当制度によって管理されてはおらず、我々は資源管理の改善のため、独自のライセンスシステムを実施しています。MSC認証は、我々独自の管理システムと共に、自主的な資源管理の責任を続けていく計画の一端となるものです。 

我々は「適切な」漁業技術を用いる素晴らしい職業に従事しているのを幸運なことだと思っています。そして、これを未来の世代と分かち合い、伝えてゆきたいと思っています。

我々は、MSC認証へ取り組んでいく中で、混獲種や影響を受けやすい生息環境のデータ収集を目的とする、イロワーズ海洋公園の職員達との協約に署名しました。海洋観察に対する取組み、および科学者との協力の下に行う研究は、現在持つ資源を保持するためにさらに歩みを進めたいという我々の願いの証となるものです。 

MSCのコメント 

MSCヨーロッパディレクターである、ニコラ・ギシュノーは以下のように述べています。「ディディエ・グロアネックと、ブルターニュの巻網漁業者の方々に対し、このフランスで2番目の認証をお祝い申し上げます。先見の明のある彼らのような漁業者のおかげで、漁業の印象は変わりつつあり、本来与えられてしかるべきであった正当な評価を再び受けるようになってきています。その努力と取組みは、まさにMSC認証プログラムの礎石となるもので、我々は手を携えて、漁業資源の減少を食い止め、現在と未来の世代のために保持していくことができるでしょう。持続可能な漁業はまた、資源と環境を保護することにより、それらを生活の基盤とする職を守るという好循環を作り上げることができるのです」

MSCフランスのマネージャーである、エドゥアール・ルバートは、「フランスのイワシ巻網漁業の認証取得を嬉しく思います。これはチャンレンジに挑んだ最初のフランス漁業であり、その努力は今や実を結びました。市場はこの最も重要な魚種をMSCのエコラベル付きで販売する機会を熱望していましたが、それが今現実のものとなりました」と付け加えています。 

独立した科学的評価 

南ブルターニュのイワシ巻網漁業は、MSCの3つの基本原則、すなわち対象種の持続可能性、生態系の保全、漁業管理システムの有効性に関連した分野において、認証機関であるビューロベリタスと4人の独立した科学専門家による、独立かつ科学的な審査を受けました。 

MSC認証に関係する漁業の詳しい情報については:http://www.msc.org/track-a-fishery

MSC認証済み製品の購入先については:http://www.msc.org/where-to-buy

をご覧ください。 

以上

注1 ブルターニュ巻網漁業協会は2005年に設立され、南ブルターニュの巻網漁業グループを代表しています。18隻からなる船団が年間15,000トンのイワシを漁獲しています。協会の目的は3つあり、巻網漁業の推進、その水産製品への付加価値付け、相当機関がこの漁具の管理を始める以前において、巻網漁業を代表すること、です。詳しくはディディエ・グロアネック+33 6 21 93 57 56、[email protected] にご連絡ください。

注2 巻網漁業は、大きな「スライディングする」魚網で、ブルターニュ地方では、20世紀初頭から使用されています。船によって引かれる網は、通常数百メートルの長さで、一旦魚群を捉えるとその周りを囲みます。巻網の底にはいくつものリングが取り付けられています。そのリングの一つ一つを通る環縄を引くことにより、網がガマ口状になり、魚が底から逃げられないようなっています。そして、その網は少しずつ船に近づけられていきます。生きたまま獲られた魚は、ブルターニュではサラバルデスと呼ばれる「水揚げ用網」に移されます。

*団体名などの表記はご参考としてのものです