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初のヨーロッパエビジャコ漁業がMSC認証を取得

ドイツ、デンマーク、オランダで操業する北海のヨーロッパエビジャコ(学名:Crangon crangon)漁業が、漁業者、環境NGO、政府機関、科学者の協力の下、MSC認証を取得しました。12月12日に、ベルギーのブリュッセルでの農業水産評議会で発表され、審査にあたったアコーラ社が認証書を授与しました。

この漁業は約400隻の漁船で構成され、毎年約30,000トンのエビジャコを獲っており、これは北海におけるエビジャコ総漁獲量の約90%にあたります。ヨーロッパエビジャコ漁業は古くからあり、漁業者の多くは、家族で何世代にもわたってこの業界に関わってきました。

エビジャコ漁業者であり、漁業委員会のメンバーでもあるダーク・サンダー氏は次のように述べています。
「私の父と私の祖父もエビジャコ漁業者で、私の息子も同様です。つまりこの漁業は持続可能といえるのです。今日この漁業が認証を得て、その持続可能性を国際的に証明されたことをとても嬉しく思います。」

MSC認証を取得するための共同作業は、三者運営委員会とMSCプロジェクト管理グループが漁業管理計画の策定をはじめた2015年に開始されました。これより前に、エビジャコ漁業の漁獲努力に関する政府規制の漁獲枠や制限はありませんでした。ハンブルグ大学とワーキンググループは国際海洋探査協議会の下、エビジャコ資源の安定かつ健全な成長を確実にするための漁獲調整規則の策定のために大きな協力をしました。本審査中に、協力してこれにあたっていた8つの環境NGOも、審査結果に積極的かつ前向きに貢献しました。

MSCベネルクス担当プログラム・ディレクターのハンス・ニューウェンハイスは次のように述べています。
「エビジャコ漁業の認証にMSCプログラムが適合するということが証明されました。漁業者たちは、エビジャコ漁業が環境におよぼす影響を科学的に理解し、最小限に抑えるために、力を合わせました。この取り組みはすべて、持続可能な漁業のためのMSC認証取得を目的としていました。その努力の中心には、すでに実践されている漁獲調整規則があります。今回の認証審査において積極的に関わってきた環境団体を含め、この目的のために団結したすべての人々に頭が下がります。」

漁業が生態系にもたらす潜在的な影響も、認証プロセスにおいて重要な役割を果たしました。漁業管理システムや混獲を最小限にするために、より大きな網目の漁網を使うなどの対策が、環境への影響を軽減する目的のために盛り込まれました。

この漁業はまた、MSC認証を維持するために今後数年間にいくつかの条件を満たさなければならず、これに向けた取り組みの成果は毎年監査されます。この条件には、管理計画の措置が機能し、海中のヨーロッパエビジャコ個体数が安定することが含まれます。これに加えて、生態系との漁業の相互作用に関するデータを収集する必要があります。この目的のために、デンマーク、ドイツ、オランダの漁業者間の国境を越えたより強力な協働体制が確立されています。さらに多くの環境NGOと漁業の共同作業部会が、このプロジェクトを促進していくことになるでしょう。