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西インド洋の小規模漁業の持続可能な管理を推進

アフリカの小規模漁業の管理改善は、水産物サプライチェーン全体に持続的な利益をもたらし、沿岸コミュニティーの生活の向上と減少傾向にある水産資源の回復に寄与します。これは先日ザンジバルで開催された、持続可能な漁業の推進にとって重要な会議にて発せられたメッセージです。この会議には、東アフリカから西インド洋に位置する13カ国の代表者65名が集いました。

この10年で、西インド洋の小規模漁業を対象とした管理努力が際立ってきています。多くの方策は、ワモンダコ(学名: Octopus cyanea)漁業の現地管理能力の向上に焦点を当てており、既にいくつかの漁業がMSCの漁業認証規準に則った予備審査を受けています。近年、無脊椎動物漁業を対象とした漁業改善計画(FIP)への関心が地域全体で高まってきており、複数のタコ漁業がMSC認証に向けて動き出しています。

地域における成功を共有

ザンジバルの旧市街ストーンタウンにて、MSCとイギリスの社会的企業ブルー・ベンチャーズ(Blue Ventures)の共催で、西インド洋海洋科学協会(WIOMSA)の協賛によるワークショップが開催され、地域の国々の政府機関、NGO, 漁業コミュニティー、地方管理当局ならびに水産業の代表者らが一堂に会しました。

ブルー・ベンチャーズのマダガスカル事業に携わっている水産学者ティナ・マーティン氏は次のように述べました。「ここ数年私たちは、個々の漁業と密接に関わっていくことで、現地管理体制の向上に目覚ましい成果を上げてきました。この会議のおかげで、私たちが培ってきた経験を多くの有力者らと共有する機会を得ることができ、地域全体の管理体制の発展に向けた取り組みを更に強化していくことができると期待しています」。

WIOMSAのアウトリーチおよび資源動員ディレクター、ティム・アンドリュー氏は加えて次のように述べました。 「西インド洋のタコ漁業には共通点が多く、一つの漁業にとって有効な手段は他の漁業にとっても有効である可能性が高いと考えられます。経験を共有することで、プロジェクトを成功させるための理解を深め、各国のタコ漁業の持続可能性を高めるために必要となる実践的支援およびガイダンスを恊働して提供できることでしょう」。

より優れた管理に向けて

3日間のワークショップでは、タコ漁業の概要とタコ漁業が西インド洋のコミュニティーの食糧安全と生計のためにいかに大切であるかについての説明が行なわれました。参加者らは、セイシェルからセネガルまでの広範囲にわたる実体験を基に、小規模漁業や発展途上国の漁業の持続的な管理の発展を阻む要因であるデータおよび管理能力の問題に対処する漁業改善計画(FIP)の役割について話し合いました。NGOや政府機関、資金提供団体、サプライチェーンのステークホルダーが恊働で問題解決に臨むことで、大変有用な結果を出してきたFIPもあります。成功しているプロジェクトに共通していることは強い指導力であり、これが決定的な要因となっているようです。行動計画を策定するためにMSCの予備審査を利用しているFIPが増えてきています。

MSCの南アフリカ担当マネージャーのマーチン・パーヴスは次のように述べました。「MSC認証の取得、およびそれに伴う市場便益の享受は、持続可能な管理を実証できるすべての漁業に門戸が開かれていなくてはなりません。MSCでは、より持続的な管理を漁業に促すFIP実務者のためのツールを開発して参りました。より多くの漁業がMSC認証の取得を目指すようになることを期待しております」。