プレスリリース

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地中海のタイセイヨウクロマグロ漁業がMSC認証を取得

10月 28, 2020

南フランスを拠点とし小規模な伝統漁業を営むSATHOANが、持続可能な漁業のための世界的基準であるMSC(海洋管理協議会)の漁業認証規格を満たしているとして、MSC認証を取得しました。一本釣り、手釣り、及びはえ縄による持続可能な取り組みを実証するためにMSC認証を取得したこの漁業は、地中海では2番目の認証取得漁業です。

第三者審査機関であるControl Union UK Ltd.は2年の歳月を費やし、SATHOAN漁業協同組合のメンバーであるフランスの地中海クロマグロの伝統的なはえ縄・手釣り漁業が、天然魚を漁獲する漁業を対象とする、科学に基づいた持続可能な漁業のためのMSC認証規格を満たしているかどうかを審査しました。MSC認証を取得するためには、資源が健全な状態にあり、環境への影響を最小限に抑え、適切な管理を行っている漁業であることを実証できなければなりません。

この漁業による東大西洋のタイセイヨウクロマグロの水揚げ量は、年間約200から300トンで、主にフランス国内の消費者に向けて出荷されています。

審査プロセスでは、他の種への影響を管理するための方策を講じるなど、今後5年以内に達成しなければならないいくつかの改善目標が付与されました。これら目標の達成状況や規格に合致する責任ある漁業慣行を維持しているかを確認するために年次監査が実施され、5年後には認証更新審査を受けることになります。

審査機関はこの漁業者のMSC認証を検討するにあたって、海洋科学者及びWWFやピュー慈善信託などのNGO、そしてSATHOANの管理運営者からの意見も含め、最新の科学的助言を踏まえ判断を行いました。さらに、東大西洋のタイセイヨウクロマグロ資源の回復度についてNGOが提起した懸念を解決するための正式なプロセスも踏まえました。

地中海で産卵する東大西洋のタイセイヨウクロマグロは、20年ほど前、過剰漁獲により危機的状況にあり、各国が協力して保全活動に取り組んできました。漁は禁止しない一方で、漁獲可能量を数千トンに抑えるという厳しい管理によって、過去10年間で資源が大幅に回復しました。

SATHOANのマネージング・ディレクター、ベルトラン・ウェンドリング氏は次のように述べています。「SATHOANの漁師は、海と海洋資源を保護する責任が自分たちにあることを理解しています。特に、地中海のクロマグロをはじめとする特定の個体群が過去に過剰漁獲されたことで資源が減少したことについては重大な責任があると認識しています。地球環境を保護し、持続可能で生態系に配慮した漁業であることを実証するために、現行の規制よりも厳格な、MSC認証の取得に取り組むことにしたのです。」

MSCフランス事務所のシニア漁業マネージャー、マルゴ・ファヴレは次のように述べています。「SATHOANの小規模なクロマグロ漁業による地中海での持続可能な取り組みは、正に海洋保全における希望の兆しです。漁業、NGO、科学者、漁業団体の協働によってクロマグロ資源が回復したことが示すのは、過剰漁獲によって枯渇した資源を持続可能な資源量にまで改善させるためには、共同行動が有効であるということです。地中海で確認されている魚類個体群の80%が過剰漁獲されていることがわかっています。今すぐに、行動を起こすことが必要です。」

2020年8月、株式会社臼福本店は、クロマグロ漁業として世界初となるMSC認証を取得しました。この漁業の水揚げ量は、タイセイヨウマグロ漁業を管理する大西洋まぐろ類保存国際委員会(ICCAT)が設定した漁獲可能量の0.2%相当の55トンです。このはえ縄漁業の審査には、WWFとピュー慈善信託が提起した懸念を解決するための6カ月にわたる正式なプロセスが含まれています。臼福本店とSATHOANの漁業はともに2018に本審査入りしました。現時点でMSC認証取得への意志を示したクロマグロ漁業は他にありません。

注記

SATHOAN(マイワシ、マグロ・カツオ類、カタクチイワシ漁)は1977年に結成されたフランスの漁業協同組合です。第三者による審査は、クロマグロの伝統的なはえ縄漁業と一本釣り、手釣り漁業のみを対象としており、まき網漁業は含まれていません。

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