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MSC、活動15周年を記念した年次報告書を発表

本日、海洋管理協議会(MSC)は、持続可能な漁業を報奨し促進する変革的なプログラムの立ち上げから15年目を記念する年次報告書を発行しました。

2014年度版MSC年次報告書「持続可能な認証水産物の15年」では、将来の水産物供給の保護に取り組む業界の先駆者たちが紹介されています。MSCの高い環境規準に合致する漁業による漁獲量は今や900万トンに迫り、世界の天然水産物漁獲量のおよそ10%となっています。また、世界の白身魚の漁獲量に関してはそのほぼ半分(45.9%)がMSC認証漁業によるものです。小売店やレストランでは17,000を超える種類のMSCエコラベル製品が販売されており、34,000を超える事業所がMSCのCoC認証を取得して世界のサプライチェーンのトレーサビリティを確実なものとしています。

MSCの最高責任者、ルパート・ハウズは「私たちのパートナーの成長と勢いが、漁業の在り方に恒久的な変化をもたらしています。世界で高まり続ける持続可能な認証水産物の需要に応えるために、優れた漁業を報奨し、必要となる改善を行うことを推奨していきます」としています。

規準の強化と前向きな変革

本年、MSCでは、世界の先駆的漁業で採用されている最新の科学と優れた管理を規準に反映させるために、漁業規準の改訂を行いました。MSCの2015年環境インパクト報告書においては、MSC認証漁業が健全な漁業資源を維持し、魚の生息域と生態系に対して漁業が及ぼす負の影響を効果的に抑制していることを、数多くの証拠が裏付けています。

これに関しハウズは「学習し続ける組織であるMSCは、そのプログラムの厳格さを強化し、MSCのパートナーたちがいかに好ましい影響を海にもたらしているかということを立証していくために大きな投資を行っています」とコメントしました。

市場における取り組み

年次報告書では市場における動きも報告されています。イケアは世界の約370店舗において認証水産物のみを販売・提供するとし、イグロ・グループはその水産物調達の100%を持続可能な水産物にするという取り組みを表明しています。また、今年は韓国の水産物加工会社のハンソンと韓国最大の小売業者であるロッテマートによって、MSC認証製品が初めて韓国市場にもたらされました。

ハウズは次のようにも述べています:「持続可能な水産物に対する需要の高まりが、漁業の方法やその管理の在り方に好ましい変化をもたらしています。より多くの小売業者と加工業者がMSC認証水産物を選択するようになることで、他の漁業も持続可能な水産物への高い需要によって提供される好機を手に入れるために、MSC審査を受けるようになるのです」。

アジア、北欧、北米の先駆者たち

2014年度は40の新しい漁業がMSC認証を取得し、70以上の漁業が本審査に入りました。これらの漁業には伝統的な小規模漁業から大規模な商業漁業活動までが含まれています。報告書においても2つの先駆的漁業が紹介されています。インドと中国で初となる認証漁業で、アシュタムディのショート・ネック・クラム漁業とZoneco(獐子島集団)のホタテガイ漁業です。インドのケララ州のショート・ネック・クラム漁業ではおよそ1,000人が漁業で生計を立てているのに対し、中国のホタテガイ漁業は共同組合を通して20,000を超える漁師たちを雇用し、黄海北部の50万ヘクタールを超える漁場で操業を行っています。

MSC発足のきっかけとなったニューファンドランドのグランドバンクスのマダラ漁業の崩壊から20年が経ちました。この報告書では現在の海の生産性を確かなものにしようとする北半球の漁業による取り組みを取り上げています。カナダの大西洋ロブスターの97%がMSC認証のロブスターで、アラスカ州の漁業の水揚げ量の87%がMSC認証水産物です。また、アイスランド持続可能漁業会は、そのすべての商業漁業がMSC認証を取得することを目指しています。

世界のほぼ100の国々で100種類以上の魚種が消費者に販売されており、2014年度のMSCラベル製品の売上げは世界全体で推定45億米ドルとなっています。

年次報告書の日本語版PDFはこちらからご覧いただけます。