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カナダ・タイセイヨウズワイガニ漁業、MSC審査開始

ノバスコシア・シーフード組合連合(The Affiliation of Seafood Producers Association of Nova Scotia (ASPANS))のスコシア大陸棚とセントローレンス湾におけるトラップによるズワイガニ (Chionecetes opilio) 漁が、MSCの持続可能で適切に管理された漁業のための原則と基準に照らし合わせた独立第三者審査に入りました。認証取得に至れば、この漁業からの製品にMSCの青いエコラベルを表示することが可能になります。

ASPANSのメンバー会社は、北西大西洋のカナダ排他的経済水域(EEZ)内のスコシア大陸棚とセントローレンス湾でトラップとカゴによって漁獲されたズワイガニを供給しています。2つの地域は別々の認証単位の範囲とみなされ、それぞれに審査されます。ASPANSは、ノバスコシアの8つのズワイガニ生産会社を代表している商業組合で、この漁場内の他のズワイガニ生産者がMSC認証申請に参加することを歓迎しています。認証取得に至れば、これらの海域で操業許可を持つ漁船に漁獲されたズワイガニで、認証書記載の会社で加工されたものはMSC認証の製品として扱うことができます。

この漁業について

この漁業は、カナダ東部のノバスコシア州の東海岸沖と、ノバスコシア州、ニューブランズウィック州、ケベック州とプリンスエドワード島に隣接するセントローレンス湾の南部にて操業しており、すべてFAO漁業エリア21に位置します。審査入りした漁業は、カナダ水産海洋省(DFO)に管轄エリアごとに管理されています。両エリアでの漁業は、1960-1970年代から発展し、今では漁獲量と市場価値の両方でカナダの主要な漁業となっています。

2つの漁業で使用される漁具の種類は同じで、円錐形もしくは長方形のワイヤーかパイプスチール製のエサ入りのトラップで、泥地または砂地に設置します。

この漁業で漁獲されるズワイガニの主な市場は、日本とアメリカで、最近では、アメリカ向けの割合が増えています。ズワイガニは主に冷凍殻つきセクションと冷凍カニ肉製品として輸出され、製品のいくらかは中国に再加工用に輸出され、さらに日本に再輸出されています。

スコシアン大陸棚

スコシアン大陸棚での漁業には、2007年施行の包括的管理計画(IFMP)があり、本年も継続しています。2010年の全漁獲量はおよそ14,000トンでした。漁期は、たいてい6月から9月で、漁の開始と終了は、カニの状況とエリア内の他の漁業を鑑みて規制されます。

セントローレンス湾南部

セントローレンス湾南部のズワイガニ漁業は4つの準管理区域に分けられています。そのうちの1区域では、IFMPが2013年まで継続施行中で、その他3区域では現在策定中です。総水揚げ量は年ごとによって違いますが、最高水揚げ量は2005年の36,118トンでした。2010年の水揚げは約9,000トンと報告されています。漁期は、4月中旬から7月一杯で、漁の開始と終了日は4地域ごとに異なります。

ASPANSのエグゼクティブディレクター、ピーター・ノースワーシー氏は次のようにコメントしています。「ズワイガニ生産者は、市場において様々な問題に直面しています。例えば、競合製品の量の増加、販売先市場の制限や、バイヤーからの持続可能製品に対する需要の高まりなどです。ズワイガニの関係者と協力関係にあるASPANSは、ズワイガニ漁業でMSC認証を取得することは、他の国の市場への進出の機会を増やし、エコロジカルな選択をする消費者に製品を届けることができると信じています。」

MSCアメリカ地域ディレクターのケリー・コフリンは、「太平洋側カナダの高価値で主要な部分を占めるズワイガニ漁業のMSC制度への参加は、市場原理と将来の世代のための持続可能性の担保という力強い組み合わせを表わすものです。私たちはこの重要な漁業のMSC審査への参加を歓迎します」と述べています。

認証機関について

グローバルトラストは、独立第三者認証機関で、MSC規準に対する本漁業の審査を行います。両認証単位の審査は、プログラムマネージャーのクレア・ムレイ氏([email protected])が担当します。この漁業に関心をお持ちの関係者は、この審査のためにコメントおよび情報をムレイ氏までお寄せください。