ノバスコシア州水産物生産者協会によって審査入りした、カナダのスコシア大陸棚におけるのカゴによるズワイガニ(Chionoecetes opilio)漁業が、持続可能で適切に管理されているとしてMSC認証を取得しました。この漁業で獲られたズワイガニにはMSCエコラベルの表示が可能になります。この漁業の認証取得は、北米初のMSC認証取得カニ漁業であり、MSC制度においても一つの達成となりました。
スコシア大陸棚における商業ズワイガニ漁業は、2か所の主要エリアで大々的に行われ、東部では4月から9月、また西部では11月から3月が漁期です。約203の商業漁業ライセンスが個人に発行されており、漁船の全長は65フィート以下です。原住民グループは、共同商業漁業ライセンスを受けています。カニは、カニ脚とカニ肉製品に加工され、主に日本とアメリカに冷凍で供給されています。この漁業は、カナダ漁業海洋省により管理されています。
漁業からのコメント
ノバスコシア州水産物生産者協会の業務執行取締役であるピーター・ノースワーシー氏は、次のように話しています。「このスコシア大陸棚における認証は、顧客の皆さまに、ゆるぎない持続可能性への責任を証明しつつ、年間1万トンの認証取得ズワイガニを供給します。私たちは、この大西洋の重要な資源の管理において、漁業者と規制者との協力を誇りに思っています。効果的な漁獲圧の制限、漁獲サイズに満たない小さなカニやメスのカニを逃がす仕組みや、用心深い管理方法などを通じて、この資源は安定しており、再生産能力も高いのです。MSC認証は、この漁業を責任ある甲殻類の管理方法のモデルと位置付け、私たちのメンバー会社が、我々の製品を他製品と差別化するのを助けてくれます。この認証は、環境を意識する消費者に、彼らが買っている製品が持続可能で責任ある方法で獲られたものであることを保証します。」
MSCのコメント
MSCアメリカ地域ディレクターのケリ－・コフリンは、次のようにコメントしています。「MSC認証を受けたカニ類への市場からの需要は高まっています。北米初のカニ漁業の認証取得は、この市場価値の高い種への需要に答えて行くための大切な一歩です。我々は、この漁業の持続可能性への責任に感謝するとともに、MSC制度へ迎え入れることをうれしく思います。」
審査と認証について
この漁業についての独立第三者認証機関によるMSC基準に対する審査は、SAI Global Assurances Ltdの一部である、Global Trustにより行われました。審査において、混獲が非常に少ないことが明らかになりました。認証機関は、2つの改善行動をこの認証に適用しました。一つは、BMSY（最大持続可能漁獲を実現する資源量）と矛盾しないレベルで資源が維持されているかを証明するために、限界基準点と目標基準点を設定すること。2つ目は、管理基準点と矛盾しない、正式な漁獲制限ルールの採用に関することです。MSC認証の有効年数5年のうちに、これら条件についての前進が確認され、年次監査のレポートにおいて、一般に公開されることになります。