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スペイン漁業が初めてMSCの持続可能な漁業認証の本審査へ

スペインのグルーポ・レガルによる北東大西洋でのヘイク延縄漁業が、MSCの持続可能で適切に管理された漁業に対する認証審査に入りました。これはMSC認証審査に入る初のスペイン漁業で、ヘイクの延縄漁業としても初めてのものです。

申請者はグルーポ・レガル社です。2隻の漁船によりEU北部のヘイク(Merluccius Merluccius)を漁獲します。認証されればこの漁業によるヘイク製品には、MSCの青いエコラベル表示が可能になります。MSCの青いエコラベルは消費者に対し、水産物を選ぶ際に環境面でどれが最適なのかを、一目で簡単に判るよう示すものです。

認証プロセスの一環として、北部地域全体のヘイク資源量がMSCの規格に照らして審査されます。グルーポ・レガルは、欧州北部地域のヘイクを漁獲対象として延縄漁業を行う他のスペイン漁業者とも、認証を分かち合う意思があると発表しています。認証後は、グルーポ・レガルの認証に加わるという交渉次第では、スペインの操業許可を有し同水域で操業する漁船もまた、その漁獲物にMSCのラベル表示ができるようになります。

MSCは天然魚を獲る漁業の持続可能性について、最も厳格な認証とエコラベルのプログラムを運営しています。スペインのヘイク延縄漁業に対する独立した審査は、専門家チームにより行われ、資源量、海洋環境に対する影響、そして漁業の管理システムが評価されます。

スペインのヘイク漁業の歴史は20世紀半ばに遡ります。EU北部のヘイク資源は現在約50のスペイン延縄漁業によって獲られています。ヘイク延縄漁業には、以下のような漁港があります。セレイロ, ブレラ、アビレス、オンダロア、ビゴ、リビエラ、セデイラ (Celeiro, Burela, Aviles, Ondarroa , Vigo, Riveira ,Cedeira)

など。

 

この水域で操業するスペイン漁船の管理はEUの共通漁業政策(Common Fisheries Policy –CFP)により決定されています。EU水域の2010年の漁獲枠は51,500トンです。全てのスペイン漁船の漁獲枠は11,000トンで、グルーポ・レガルの漁獲は年間1,100トンです。全製品の98%は国内向けで、2%がフランスに輸出されています。

最高経営責任者のファン・アントニオ・レガルは「我々は持続可能性への取組みを示したいと思っています。MSC認証プログラムを選んだのは、国際的に認知され、信用度が高く、天然魚を獲る漁業の持続可能性と適切な管理に対する、厳格かつ科学的な根拠に基づく認証制度だからです。MSCと手を携え、未来の世代のために持続可能な水産物市場を作り上げる、最初のスペイン漁業となりたいと思っています。天然魚、鮮度、高品質、延縄漁業によるもの、責任のある持続可能な形で獲られ、欧州水域からのものというトレーサビリティが確立している、といった我々のヘイクを差別化する価値を、消費者に判っていただけることを願っています」と述べています。

MSCヨーロッパの地域ディレクターである、ニコラス・ギシュノーは、「スペインのヘイク延縄漁業船団が本審査に入ったことは、とりわけ南欧とスペインにおけるMSCの活動の大きな足跡となりました。ヘイクは欧州で最も人気の高い水産物の一つであり、グルーポ・レガルの本審査に入る決定を喜んでいます。持続可能と認証されたヘイクの需要は世界的に高まっていますが、グルーポ・レガルの本審査開始により、MSC認証プログラムに関わるヘイク漁業は7つとなりました。認証審査の成功をお祈りいたします」と述べています。

MSCスペインのコマーシャル・オフィサーであるアルマ・ロマンは、「グルーポ・レガルの本審査開始の決定は、同社の洞察力に満ちた姿勢を表しています。バイヤー達が持続可能性をそのビジネスの中心においていることを察知し、認証された延縄漁業によるヘイクの需要に対し、より良い地位を確立したいと考えているのです。グルーポ・レガルは、認証審査開始により、この分野での先駆者となりました。他の漁業がこれに続くことを望んでいます」とコメントしています。

審査は独立した認証機関である Food Certification Internationalにより行われます。MSCの規格と審査方法では、ステークホールダーからの見解を採り入れることを要件としています。ご意見のある方は認証機関の連絡先であるMelissa McFadden, [email protected].  にご連絡ください。審査には12カ月かかると見込まれています。

以上

1.        レガル社(REGAL)は1964年に家族経営会社として、アントニオ・レガル・ガルド氏により設立されました。同社は欧州の主要な漁港である、ガリシア地方のセレイロに本部を置いています。設立当初はアンチョビー漁、マグロ漁を交互にスペイン沿岸水域で操業していました。近年ではレガルの船団は多様化し、延縄漁船など新しい船も導入し世界各地で操業を行っています。

 

2.        欧州水域には2つのヘイク資源が存在します。一つは北部のヘイク資源で北海、スカーゲラーク(Skagerrak)、英国、アイルランド、フランスの大西洋岸沿岸沖のもの。もう一つは南部のヘイク資源でスペインとポルトガルの大西洋沿岸沖のものです。