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ルイジアナのブルークラブ漁業がMSCの本審査へ(審査では石油流出事故の影響も考慮)

ルイジアナ州での操業権を持つ約3,000人のカニ漁業者の代表である、ルイジアナ水産物販売促進協会(The Louisiana Seafood Promotion and Marketing Board)による、ルイジアナのブルークラブ(アオガニ‐Callinectes sapidus)漁業が、MSC認証の本審査に入りました。MSC認証は、天然魚の漁業を対象とし、独立した認証機関によって行われ、その環境に対する規格の厳格さは世界中に認知されています。

カニの水揚げはあらゆる州で行われていますが、ルイジアナのブルークラブは、ポーンチャートレーン湖半とテレボンの湿地帯(Terrebonne Basin)の2か所で、その半分以上が獲られています。 ポーンチャートレーン湖はニューオーリンズの北部・東部に接し、湖と沼地、および東南に入江を擁し、テレボンの湿地帯はニューオーリンズ西南に位置しています。

審査のプロセスはMSCの要件に従い、透明性と公開性を備えています。MSCの認証制度は、ルイジアナ州の野生動物・漁業省による漁業管理制度に代わる管理プログラムではないことをMSC は強調しています。石油流出の影響は資源の持続可能性との関連で考慮されますが、州の水域の公開や閉鎖その他の漁業関連の決定は全面的に州に委ねられています。MSC認証は、自主的かつ独立した第三者の評価によるもので、環境に対する責任を満たし適切に管理された天然魚漁業に対する、国際的に認められた認証プログラムです。

MSC自ら認証審査を行ってはいません。審査は独立した第三者認証機関によるもので、専門知識を持った専門家による評価が行われます。認証レポートはまた、専門家チームと同等の経験を持った科学者により再検討されます。審査は通常12カ月またはそれ以上の期間をかけて、水産資源の保全、漁業の生態系に対する影響、漁業管理の3つの原則を含むMSCの持続可能な漁業に対する原則と規準に照らし、漁業関連データと膨大な科学的データの分析が行われます。

認証は取得後5年間有効で、その間も認証漁業がMSCの原則に沿っているどうか、また審査のプロセスで何らかの特別な実施策、つまり条件が与えられた場合にはその実施状況が、年次監査により確認されます。MSCの認証プログラムは食の安全や品質を評価するものではなく、それらの評価はここ数週間に検査の強化がなされましたが、地域、州、連邦によるプログラムの範疇となります。

審査プロセスを通じ、重要なステークホルダーには、審査への関与を促し可能にすることを、MSCは審査機関に求めています。MSCは、審査プロセスの重要な時点ごとに、独立した審査機関による報告書を発行し、関心のあるステークホルダー全てが、積極的に審査の進捗状況を追い、必要に応じ、審査プロセスへの参加を選択できるようにしています。独立した、国際的に認定された審査機関であるScientific Certification Systems (SCS) が審査を行います。

MSCの認証制度には、もう一つCoC認証と呼ばれる、厳格なトレーサビリティに関するプログラムがあります。これは、MSCのエコラベル付き製品が元々ははどの漁業により獲られた水産物かを遡って辿ることができるものです。

CoC認証が取得されれば、認証を取得した加工業者によって販売されるブルークラブは、その製品が持続可能で適切に管理された漁業によるものだという証であるMSCのエコラベル表示が可能となります。世界中で、MSCのエコラベルは信用の象徴であり、高く評価されています。現在、68カ国で、5,000以上の水産製品がMSCのエコラベル付きで販売され、消費者にその製品が持続可能で適切に管理された漁業によるものであることが示されています。

本審査に入ったのは、ルイジアナ州の水域におけるブルークラブのトラップ漁です。操業は通年で、厳密に日中にのみ行われます。ハードシェルのブルークラブは肉加工市場で、ソフトクラブはむき身市場で取引されます。ブルークラブはアメリカ国内でのみ取引されています。近年ルイジアナでのブルークラブの年間水揚げは平均4,000万ポンドです。

ルイジアナ東南部に位置するポーンチャートレーン湖は入江を成し、合衆国でユタ州のソルトレークに次ぐ合衆国で2番目に大きな海水湖で、ルイジアナでは最大の湖です。630平方マイルの地域にわたり、水深は平均で12から14フィートです。

テレボンの湿地帯は1,140平方マイルの湿地に広がり、内陸部の湿地帯と、湾岸域の黒色の沼地にわたっています。南端は、ひと続きの広浅な湖と岸が陸地の沼地を分ける、細長く低い島々によって形づくられています。

ルイジアナ水産物販売促進協会の最高責任者のエウェル・スミスは「MSCの認証プログラムへの関わりはルイジアナ油田の流出事故のかなり前でしたが、審査は今や新しい緊急性と重要性を帯びてきています。流出により、ルイジアナ湾岸沖の、ブルークラブやその他の湾岸域の漁業に対する疑問や関心が寄せられており、MSCの環境に対する規格とその審査は、これらの疑問に答えてくれるでしょう。ルイジアナの水産物のブランドへの評価を保つために多大な努力をしており、第三者による認証は我々の努力を助けてくれるものとなるでしょう」と述べています。

 MSCアメリカの地域ディレクター、ケリー・コーフリンは、「漁業関係者、その家族とコミュニティは流出事故で多大の被害を得ました。MSC認証は世界中の様々な大きさや規模の漁業を市場に知らしめる役割を果たしてきており、持続可能性に対する取組みを示した漁業に対しては、その貴重な伝統と生活を守ることを支援してきました。このブルークラブ漁業もその一例となることを祈っています」と述べています。

この審査にご関心のある方は以下に連絡ください。

Jason Swecker at [email protected]

以上