MSCは、漁業において目的とする持続可能な成果が確実に実現されるよう漁業認証規格(第3.1版)にさらなる変更を加える取り組みを進めています。
MSC漁業認証規格(第3版)は、4年に及ぶ見直しを経て、2022年10月に発行されましたが、第三者の審査機関や水産関係者を含むステークホルダーからのご意見を受け、漁業認証審査において高得点を達成していた、管理の行き届いた漁業でも認証取得が難しくなるような不明確な点や複雑性があることが明らかになりました。
MSCは主な懸念を解消し、MSCプログラムによって過剰漁獲の撲滅に向けた現実的で持続可能な取り組みを引き続き行えるように、現在、一連の漁業プログラムの改定作業を進めています。
漁業プログラムの改定は、規格付属文書の「漁業認証規格ツールボックス」の見直し作業も含みます。この作業は、漁業認証の審査をサポートするための主な手順が有効となるために、2024年7月に開始されました。
改定の対象は、漁業認証規格第3.1版、漁業認証プロセス第3.1版、漁業認証規格ツールボックス第1.2版です。これにより、漁業が認証を取得するために必要なパフォーマンスレベルに変更が生じる可能性があります。
この改定作業の進行中は、漁業は漁業認証規格第2.01版を引き続き適用することができます。第2.01版は、水産物の持続可能性を測る主要な指標として、世界水産物持続可能性イニシアチブ(GSSI)のベンチマークに承認されています。
改定の進捗状況
MSCは、2026年4月に漁業プログラム改定の進捗状況について動画を公開しました(英語)。
動画では、改定の対象や改定版の漁業認証規格の公開を6カ月延期すること等を説明しています。
改定の目的
漁業プログラム改定は以下の項目に焦点を当てます。
- 目的とする持続可能な成果をもたらすことを確かにする
- 要求事項を明確にし、複雑性を削減することで審査を効率化する
- 漁業認証規格の適用性やアクセシビリティを向上する
- 漁業認証規格と関連する漁業プログラム文書間での不一致や矛盾を解消する
改定の対象領域
改定の対象となる領域には以下が含まれます。
詳細はリンクからご覧いただけます(英語のみ)。
- 「情報の正確性と信頼性の枠組み」
- 漁業認証プロセス
- 絶滅危惧種・保護種および認証適用範囲外の混獲種に関する要求事項
- 「リスクに基づいた審査枠組み」
- カツオ・マグロ類以外の漁業におけるセクションSEの適用
その他にも、関連する文書間で一貫性を持たせ、使用しやすい文書となるように、部分的な修正を行います。
今後の予定
MSCは、漁業管理者、漁業認証の審査員、そしてNGO等の外部の専門家と協働しながら、漁業プログラムの改定と評価を行っています。
改定版が公開される前には、提案内容が持続可能性において目的とした成果をあげ、一貫性があるかを確認するために、改定版の包括的な影響評価を行います。
改定内容の影響を十分に検討するため、以下の方法を用います。
- パイロットテスト:第三者の審査機関や審査員が、実在の認証漁業の報告書を用いて、改定案の変更箇所が明確かつ適用可能であり、改定の目的が達成されるかどうかを確認します。
- 模擬審査:漁業認証規格の一部セクションまたは全体を実在の認証漁業に適用し、変更を総合的にテストすることで、採点、付与される条件、認証維持への影響を確認します。
- ステークホルダーからのフィードバック:様々な分野のステークホルダーへのインタビューを行い、要求事項に関するご意見やご提案を伺います。ステークホルダーとの協議から得られたフィードバックは、影響評価のプロセスに反映されます。
スケジュール
2026年
- 改定案へのパブリックコメントの募集(60日間)
*後日日程を案内
2027年
- 改定版の漁業認証規格の公開(2027年中頃)。公開の6カ月後に発効。
2028年
- 改定版の漁業認証規格は2028年初期に発効予定。
漁業プログラム改定への参画
2026年後期に、漁業認証規格、ツールボックス、および漁業認証プロセスの改定案への60日間のパブリックコメントの募集を行います。
漁業認証規格や審査のプロセスにご関心があるすべての方が、改定案をご覧いただき、ご意見を提出いただくことが可能です。
いただいたご意見は分析を行い、パイロットテストや影響評価とともに改定をよりよくするために用います。
改定プロセスの最終段階で、最終的な改定案へのパブリックコメントを30日間募集いたします。
改定版への移行期限
改定版の漁業認証規格への移行期限については、漁業の認証ステータスによって異なります。
- 認証取得漁業:2030年3月1日以降に認証期限を迎える漁業は、次回の認証更新審査の際に改定版の漁業認証規格を適用しなければなりません。
- 新規に審査入りする漁業:初めて本審査に入る漁業は、改定版の漁業認証規格の公開日から6カ月後となる発効日から、改定版の漁業認証規格を適用しなければなりません。
- セクションSE適用漁業:セクションSEの早期適用を受けた漁業は、改定版の漁業認証規格が発効となるまでは、漁業認証規格第2.01版を使用することができます。
- MSC改善プログラム参加漁業:改定版の漁業認証規格の発効後に改善プログラムに参加する漁業は、改定版の漁業認証規格を適用しなければなりません。
発効日の前に改善プログラムに参加する漁業は、2030年3月1日までは、漁業認証規格第2.01版に基づく改善を実施することができます。
改善プログラムに参加しているすべての漁業は2030年3月1日までに以下のいずれかを実施しなければなりません
- 改定版の漁業認証規格に準拠させるよう、改善計画を更新する。これには審査機関による「特別な事情」条項の適用が必要となる場合があります。承認が得られれば、改善計画を5年以内に完了するという期限を最大3年間延長することが可能となります。
- 改定版の規格の発効日以前に改善プログラムに参加したのであれば、規格の第2.01版に基づいて審査に入ることもできます。
移行期限やその影響に関するご質問については、[email protected]またはMSCジャパンまでお問い合わせください。