MSCは、漁業において目的とする持続可能な成果が確実に実現されるよう漁業認証規格や関連する文書の改定を進めています。
漁業プログラムの改定は、MSC漁業認証規格(第3版)の発行の際に特定された懸念事項を解消するために開始され、漁業認証規格第3.1版、漁業認証プロセス第3.1版、漁業認証規格ツールボックス第1.2版を改定の対象としています。
改定案は、持続可能な漁業における信頼性と有効な枠組みを引き続き確立し、より明確で実用的な規格を提供することを目的としています。
この改定作業の進行中は、漁業は漁業認証規格第2.01版を引き続き適用することができます。第2.01版は、水産物の持続可能性を測る主要な指標として、世界水産物持続可能性イニシアチブ(GSSI)のベンチマークに承認されています。
改定の目的
漁業プログラム改定は以下の項目に焦点を当てます。
- 目的とする持続可能な成果をもたらすことを確かにする
- 要求事項を明確にし、複雑性を削減することで審査を効率化する
- 漁業認証規格の適用性やアクセシビリティを向上する
- 漁業認証規格と関連する漁業プログラム文書間での不一致や矛盾を解消する
改定の対象領域
改定の対象となる領域には以下が含まれます。
詳細はリンクからご覧いただけます(英語のみ)。
- 「情報の正確性と信頼性の枠組み」
- 漁業認証プロセス
- 絶滅危惧種・保護種および認証適用範囲外の混獲種に関する要求事項
- 「リスクに基づいた審査枠組み」
- カツオ・マグロ類以外の漁業におけるセクションSEの適用
その他にも、分別不可能もしくは実務上分別不可能な漁獲物に関する要求事項や、漁船リストの新しいテンプレートの追加なども改定内容に含まれています。関連する文書間で一貫性を持たせ、使用しやすい文書となるように、部分的な修正も行っています。
改定の進め方
改定案の策定と評価にあたっては、より包括的な新しいアプローチが採用され、MSCは漁業認証の審査員、環境NGOや漁業関係者と協働しながら進めています。
提案内容が持続可能性において目的とした成果をあげ、一貫性があるかを確認するために、改定案の包括的な影響評価が行われています。
改定内容の影響を十分に検討するため、以下の方法を用います。
- パイロットテスト:第三者の審査機関や審査員が、実在の認証漁業の報告書を用いて、改定案の変更箇所が明確かつ適用可能であり、改定の目的が達成されるかどうかを確認します。
- 模擬審査:漁業認証規格の一部セクションまたは全体を実在の認証漁業に適用し、変更を総合的にテストすることで、採点、付与される条件、認証維持への影響を確認します。
- ステークホルダーからのフィードバック:様々な分野のステークホルダーへのインタビューを行い、要求事項に関するご意見やご提案を伺います。ステークホルダーとの協議から得られたフィードバックは、影響評価のプロセスに反映されます。
パブリックコメントの募集
漁業認証規格、ツールボックス、および漁業認証プロセスの改定案へのパブリックコメントを10月8日から12月8日までの60日間募集いたします。
募集期間:
10月8日 12:00 ~ 12月8日 17:00 (UTC)
(日本時間:10月8日(木)21:00 ~ 12月9日(水)2:00)
アンケートフォーム:MSC Fisheries Program Revisions | Public Consultation Survey
※翻訳システムで日本語に対応しています。
改定の概要(英語)は以下からご覧いただけます。
各文書の改定案および変更履歴付きファイルは以下からご覧いただけます(英語のみ)。
- Draft MSC Fisheries Standard v4.0
- Draft MSC Fisheries Standard v4.0 with changes highlighted
- Draft MSC Fisheries Certification Process v4.0
- Draft MSC Fisheries Certification Process v4.0 with changes highlighted
- Draft MSC Fisheries Standard Toolbox v2.0
- Draft MSC Fisheries Standard Toolbox v2.0 with changes highlighted
パブリックコメントの詳細や参加方法については、以下の動画(英語)をご覧ください。
MSC Fisheries Program Revisions: Consultation
ウェビナーの開催
11月2日~6日に、パブリックコメントへの参画をサポートするためのウェビナーを開催します。
5日間を通して、改定のトピックごとに改定内容の詳細や、変更の背景について解説いたします。質疑応答の時間も設けています。
各ウェビナーは、異なるタイムゾーンで2回ずつ開催されます。いずれも言語は英語です。
開催時間は、協定世界時(UTC)の7:00と16:00、日本時間の16:00と翌1:00です。
ウェビナーの内容
11月2日:漁業プログラムの改定の概要
11月3日:原則2の改定案
11月4日:ツールボックスの改定案
11月5日:漁業認証プロセスの改定案(1)
11月6日:漁業認証プロセスの改定案(2)
スケジュール
2026年10月
- 10月8日:改定案へのパブリックコメントを募集(60日間)
- 模擬審査開始
2026年12月
- 12月8日:パブリックコメントの募集終了
2027年4月
- 最終的な改定案へのパブリックコメントを30日間募集
2027年中期
- 改定版の漁業認証規格を公開
2028年
- 2028年初期:改定版の漁業認証規格の発効(公開から6か月後)
改定版への移行
漁業認証規格、漁業認証規格ツールボックス、漁業認証プロセスの改定版は、2027年中期に発行予定です。
これらの文書は発効から6か月後に有効となります(2028年初期の見込み)。
改定版への移行期限
改定版の漁業認証規格への移行期限については、漁業の認証ステータスによって異なります。
- 認証取得漁業:2030年3月1日以降に認証期限を迎える漁業は、次回の認証更新審査の際に改定版の漁業認証規格を適用しなければなりません。
- 新規に審査入りする漁業:初めて本審査に入る漁業は、改定版の漁業認証規格の公開日から6カ月後となる発効日から、改定版の漁業認証規格を適用しなければなりません。
- セクションSE適用漁業:セクションSEの早期適用を受けた漁業は、改定版の漁業認証規格が発効となるまでは、漁業認証規格第2.01版を使用することができます。
- MSC改善プログラム参加漁業:改定版の漁業認証規格の発効後にMSC改善プログラムに参加する漁業は、改定版の漁業認証規格を適用しなければなりません。
発効日の前に改善プログラムに参加する漁業は、2030年3月1日までは、漁業認証規格第2.01版に基づく改善を実施することができます。
改善プログラムに参加しているすべての漁業は2030年3月1日までに以下のいずれかを実施しなければなりません
- 改定版の漁業認証規格に準拠させるよう、改善計画を更新する。これには審査機関による「特別な事情」条項の適用が必要となる場合があります。承認が得られれば、改善計画を5年以内に完了するという期限を最大3年間延長することが可能となります。
- 改定版の規格の発効日以前に改善プログラムに参加したのであれば、規格の第2.01版に基づいて審査に入ることもできます。
移行期限やその影響に関するご質問については、[email protected]またはMSCジャパンまでお問い合わせください。