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スウェーデンの小規模淡水漁業、MSC認証で国際的に認知

スウェーデンの小規模パイクパーチ漁業がMSCの環境規準に照らした審査で再認証を取得し、再びMSCのエコラベルを表示してヨーロッパの鮮魚市場で販売されることになりました。

課題を克服

この漁業は淡水漁業として2006年に世界で初めてMSC認証を取得し、スウェーデン初のMSC認証取得漁業になっています。スウェーデンにある10万もの湖の中で4番目の規模の保護地である美しいイェルマレン湖では、30名の漁師たちが漁業を行なっていますが、再び彼らの持続可能な操業と優れた管理が認められました。

WWFのシャルロッタ・ヤンマルク氏は次のようにコメントしました。「イェルマレン湖の漁師たちが再びMSC認証を手にしたことは素晴らしいことです。この伝統的漁業が、小規模漁業の資源状況データを収集するという課題を克服し、その優れた管理が世界的に認知されたことを大変喜ばしく思っています」。

認証がもたらす価値

イェルマレン湖のパイクパーチ漁業の17代目の漁業者、アンダース・エリクソン氏は、「市場でより良い価格で取引できるMSCのエコラベルを再び利用できるようになって、大変喜んでいます。もう既に先週から価格は大きく上昇しています」と述べました。

協力関係

MSCバルティック海地域マネージャ-のミナ・エップスは次のようにコメントしました。「イェルマレン湖の漁師の方々の努力が認められたことをお祝い申し上げます。MSC認証では、益々持続可能な調達を求めるようになった産業界において、政府機関、環境保護団体、漁業者、そして研究機関が、持続可能な漁業のために協力することを提唱しています。」

環境への影響

漁師たちは温かい季節にはわなを仕掛けて、冬には氷の下に定置網を設置して漁業を行います。両者ともに固定の漁具であり、環境への影響は低いものです。年間のパイクパーチの漁獲量は150~200トンです。イェルマレン湖における主な産卵域と生育域はきちんと把握されており、産卵期には閉鎖されます。

継続的な改善

MSC認証漁業は5年が経過すると、変わらずMSC規準に適合しているか、そして必要な改善措置が実施されているかを確認するために再認証を受けなければなりません。改善のための基準は行動計画の中に提示されます。スウェーデンのパイクパーチ漁業を含め、ほとんどのMSC認証取得漁業には、こうした行動計画が出されます。行動計画の実施状況は毎年行われる年次監査の際にチェックされます。この漁業は、一度目の認証期間内にすべての行動計画を実行し、イェルマレン湖の生態系およびパイクパーチの資源構成に関する知識の向上に寄与しました。

環境意識の高い消費者に人気のパイクパーチ

ザンダーの名前でも知られるパイクパーチは、ヨーロッパの北部や中央部の湖や河川に生息する浮魚です。上位捕食者であるパイクパーチの寿命は20年以上で、成魚の重量は20キロにもなります。白身の肉はジューシーで柔らかく、脂肪が少ないため、ヘルシーで持続可能性について意識の高い消費者に好まれています。パイクパーチは主に鮮魚でドイツ、オーストリア、フランスに向けて販売されます。