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MSC、認証による経済的便益や環境の改善に関する最新データを発表

海洋管理協議会(MSC)は、5月6日から8日ブリュッセルで開催されたSeafood Expo Global 2014にて、MSC認証製品の売上に関する最新データを発表し、MSCのパートナー企業が行っている取り組みの成果について説明を行ないました。

MSCのグローバル・コマーシャル・ディレクター、ニコラス・ギシューは、年に一度行われるMSCグローバル・コマーシャル・ネットワーク会議の席で最新データを発表し、MSC製品の数が2013年の9月から21%の伸びを示し、この4年間で5倍にも増えたことを明らかにしました。

適切に管理された世界有数のエリート漁業

「こうした成長は、バリュー・チェーンにおいて環境に配慮した水産物を購入するという選択肢を消費者に提供しているMSCのパートナー企業の協力なくして達成することはできませんでした。MSC認証漁業は、持続可能で適切に管理されている世界有数のエリート漁業として認知されるようになりました」とギシューは述べました。

そして、2013年9月までのMSC認証製品の年間純売上高が45億ドルに達し、小売ではその40% 増であったと述べました。

また、持続可能な原料を使った魚油サプリメントといった新たな市場への移行も見られると説明しました。

現在、221の漁業がMSC認証を取得しており、さらに106の漁業が審査中です。これは、世界の天然水産物を対象としている漁業の10.5%に相当します。

パートナーの取り組みによる環境および経済への影響

ギシューはまた次のように述べました。「水産物のサプライチェーンの各段階におけるパートナー企業の取り組みの相乗効果による、グローバルな環境改善および経済効果が認められています。」

MSCではこれまでに、漁業による450以上もの改善点を確認しており、新たな改善点を含めたGlobal Impacts report (環境インパクト報告書)の第2版を今年中に発表する予定です。

これについてギシューは「今後10年間にわたる改善に向けた取り組みを示すデータを盛り込みます。MSCではこれからもパートナーによる環境インパクトについて明らかにしていきます」とコメントしました。

南アフリカのヘイク漁業では8,300人を雇用し、漁獲量の60%を輸出、1.8億ドルの年間売上高を達成することで、物流業者や二次加工業者、輸出企業のネットワークを間接的にサポートしています。

認証取得による環境改善効果としては、割り当て量の削減、トロール領域の自主規制、混獲の管理、そしてトリポール(鳥除け装置)の設置によって海鳥の死亡率を90%削減したことなどが挙げられます。

 

科学に基づく規準への信頼

MSCでは、5年ごとに漁業認証規準の見直しを行っていますが、今年度はその報告書をまとめるだけでなく、MSCラベルを表示した水産物が認証漁業までトレースバックできることを保証するCoC認証の見直しも始めました。

MSCのCEO、ルパート・ハウズは、「環境への責任ある、持続可能な漁業に関するMSC規準は、科学に基づいたものです」と述べました。

「MSCプログラムの成功、そして推進力の要因の一つは人々からの信頼です。持続可能性を確かなものにするためにはハードルは高くなければならないのです。」

ハウズはまた、MSCが認証制度の複雑さやコストを軽減するために、審査に要する時間およびコストの見直しを行っていることを明らかにしました。

「現在検討している改善策を実施することにより、漁業認証にかかる費用が最大で50%削減できると期待しています。認証を取得するためにはコストがかかりますが、その恩恵も大きいですから、その二つをあわせて考えていく必要があります」と述べました。

持続可能な水産物の新たな市場

昨日行われたMSCグローバル・コマーシャル・ネットワーク会議のゲスト・パネリストの方々も持続可能な水産物の市場動向についての見解を述べられました。

Ocean Choice International (OCI)のCEO兼社長であるマーティン・サリヴァン氏は、ヨーロッパや北米におけるMSCの認知度は高く、アジアでの成長も期待できると述べました。

「日本では既にMSCに対する関心が高まっており、MSCラベルを表示した製品に対する需要が拡大しています。中国でも、まだ始まったばかりではありますが、そうした兆しが見られます。世界の主な市場において、持続可能な製品を求める声が上がっている、というのが大方の意見です。そうした声はこの5年間で急増しており、アジアでもここ数年の間に伸びてくるものと思われます。」

「我々にとって最大の成長市場はアジアです。MSCは未だ十分に浸透していませんが、水産物を多く食する文化においては市場を開拓していけるものと期待しています」。

持続可能性のメッセージを広めるためにはひたむきな努力が必要

Findus NordicのCEO, Jari Latvanen氏は次のようにコメントしました。「食品ビジネスにおいて何より大切なのは消費者の信頼を築きあげることです。持続可能性に対する意識は消費者の間で高まってきており、持続可能性を推進するためのより多くの選択肢が求められています。そういった意味において、MSCは消費者が水産物を購入する際の素晴らしいツールなのです。」

「しかし、我々もブランドに対してもっと力を注いでいかなければなりません。持続可能な水産物を調達している証しとして、独立した第三者によるMSC認証は必要ですが、我々はブランドを高め、消費者との関係を築きあげなくてはなりません。」

「持続可能性のメッセージを伝えるためには、ひたむきに努力しなくてはなりません」。

持続可能なマグロへの高い需要

Pacificalのマネージング・ディレクター、Henk Brus氏は持続可能なMSC認証マグロへの強い期待を示しました。

「世界で一番の天然漁獲製品はマグロであるにもかかわらず、MSC認証のマグロの数は限られたものとなっています。これは大きな問題です。私が現在携わっているPNAナウル協定加盟国のMSC認証漁業は、40万トンを超えるMSC認証マグロを輸出していますが、これはMSC認証として表示できる世界の総漁獲量の5%程度に過ぎません。」

「世界中で、持続可能なマグロに対する膨大な需要があるのに、製品が市場に入ってこないのです。我々がCoC認証を取得してから1年半近く経ちますが、水揚げされている認証マグロの0.2%しか取り扱っていません。アメリカやヨーロッパの小売業者から催促されてはいるものの、市場に供給できているのは0.5%にも満たないのです。」

「私たちはMSC規準を導入することで、これまでの自己認証制度を革新し、トレーサビリティ、アカウンタビリティ、そして科学に基づいた現在の規準に適合できるようにしたのです」。