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アメリカ西海岸の底魚漁業がMSC認証を取得

これまでMSC規準審査を受けた漁業の中で最も多様性に富んだ複合漁業が、独立の科学的審査とステークホルダー参加による審査を経て、本日、持続可能で適切に管理されている漁業としてMSC認証を取得しました。

アメリカ西海岸ライセンス制・底魚トロール漁業は、ワシントン、オレゴン、カリフォルニア各州の沖合で操業されています。この漁業の管理は主として連邦政府が行っていますが、オレゴン州の漁獲域についてはオレゴン州でも管理を行なっています。漁は年間を通じて行われますが、1月~6月にかけて最も盛んで、各州指定の港で水揚げされます。

今回の認証を受けた魚種にはMSC認証では初となる次のメヌケ・キチジ類が含まれています(カッコ内は学名)。カリフォルニアメバル(Sebastes goodei)、ヒレガナキチジ(Sebastolobus altivelis)、アラスカキチジ(Sebastolobus alascanus)、ハナサケメヌケ(Sebastes diploproa)、カゴメヌケ(Sebastes entomelas)、キオビレメヌケ(Sebastes flavidus)。また、初めてMSC認証を取得したガンギエイ類(raja rhina)も含まれます。残りの13の認証魚種には以下が含まれます:アラスカアブラガレイ(Atheresthes stomias)、アメリカナメタガレイ(Microstomus pacificus)、イギリスガレイ(Parophrys vetulus)、キンムツ(Ophiodon elongatus)、ペトレールソール(Eopsetta jordani)、ギンダラ(Anoplopoma fimbria)。年間およそ100隻の漁船で漁業が行なわれ、2013年までの5年間における年平均漁獲量は4,100万ポンドを超えています。

オレゴントロールコミッションの会長、ブラッド・ペティンガー氏は漁業審査を受けたクライアントグループを代表して次のように述べました。「この漁業にとってMSC認証は、私たちが持続可能で人々の高い期待に応えられる漁業を行っていることを保証する社会契約を改めて結ぶものなのです」。

MSCの漁業アウトリーチマネージャー、ダン・アベリルはMSC認証について次のように述べました。「オレゴン州、ワシントン州、カリフォルニア州の漁師の方々が誇りに思える日となりました。」アベリルは、この漁業の管理が個別漁獲割当制度(IFQ: Individual Fishing Quota)および複数魚種を対象とした漁業においてより優れた管理を行なうための100%のオブザーバー監視を活用したキャッチシェアプログラムに基づくものだとし、「MSC認証によってこの漁業の厳格な管理体制が確認され、将来にわたって水産物の安定した供給が保証されるのです」と述べました。キャッチシェアプログラムでは、すべての漁船に連邦政府のライセンスを取得することが求められ、その漁獲について全責任を負います。これによって資源の過剰漁獲を防ぐことになります。

環境防衛基金(EDF)は7年間にわたり、漁師、漁業管理者、政府職員らと協力し、キャッチシェアプログラムの開発に取り組んできました。環境防衛基金の海洋プログラム太平洋地域ディレクター、シェムス・ユート氏は次のように述べました。「すべてはトロール漁師の方々の功績です。彼らはキャッチシェアに適応する中で、混獲の大幅な削減に成功し、MSC認証のための基盤を築いたのです。今回の発表によって、多くのアメリカの漁師たちがじかに体験したこと、すなわち完全な説明責任を有するシステムは、経済的にも環境的にも成功する可能性を生み出すことができるのだ、という認識が強まることでしょう」。

この漁業の審査の過程で、混獲を削減するための継続的で体系的なアプローチが取られていることがわかり、2013年9月のアメリカ海洋大気庁(NOAA)による、2012年からの西海岸底魚についての個別漁獲割当制度(IFQ)経過報告書でも、キャッチシェアの導入により混獲が大幅に減少したことが確認されました。これはマグナソン・スティーブンス漁業資源保存管理法の管理手段であり、漁獲可能許容量(TAC)を漁師が管理できるよう割り当て、結果としてより効率的で柔軟性のある漁獲をもたらすようにするものです。この漁業は、アメリカ海洋漁業局およびアメリカ合衆国商務長官の指揮下で太平洋漁業管理協議会が管理しています。

西海岸の底魚複合漁業による漁獲物は生鮮および冷凍でアメリカ西海岸と世界の市場に供給されています。日本が最大の輸出先で、中国とカナダがそれに続きます。これらの魚を使った料理やレシピがこちらでご覧いただけます:http://www.ortrawl.org/category/recipes/