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カナダのニシン漁業が初のMSC認証取得

NAFO(北大西洋漁業機構)の第4R(管理区域)で操業するニューファンドランドおよびラブラドールのタイセイヨウニシン巻き網漁業がこのたびMSC認証を取得し、科学的根拠に基づくMSC規準に則った持続可能で適切に管理されている漁業として認められました。ニシン漁業としてはカナダ初の認証取得となります。第三者独立認証機関であるインターテック・フィッシェリーズ・サーティフィケーション(Intertek Fisheries Certification:IFC)の審査を経て、クライアント漁業のバリー・グループ社(Barry Group Inc:BGI)から調達されたタイセイヨウニシン製品には、MSCの青いエコラベルを表示できるようになります。

タイセイヨウニシン巻き網漁業について

新たに認証を取得した漁業は、ニューファンドランド西海岸沖のセント・ローレンス湾に生息するタイセイヨウニシン(学名:Clupea harengus)を対象とするニシン巻き網漁業者から構成されています。漁区は、カナダの漁業海洋省によって管理されており、操業海域は、北大西洋漁業機関(NAFO)の第4管轄区域内のボールド岬とレー岬の間です。

NAFO第4管轄区のタイセイヨウニシンには二つの系統があり、産卵期がそれぞれ春と秋とに明確に分かれています。タイセイヨウニシン巻き網漁業は4月から10月にかけて操業を行いますが、天候や海氷の状況に左右されます。カナダ漁業海洋省が4R海域内のニシンに対して定めたTAC(総漁獲可能量)は2万トンで、今回認証を取得した巻き網漁業船団の総漁獲量は1万1千トンです。

この漁業では、詳細なモニタリングと監視システムを導入している他、禁漁区の設定、操業時期や漁獲サイズの制限、音響測深技術の利用による非対象種の漁獲回避といった管理方策が実施されています。タイセイヨウニシンは主に塩漬け・乾燥、冷凍、生鮮、薫製、数の子、オイル漬け、缶詰として輸出され、主な輸出先は米国、西ヨーロッパと日本です。

持続可能性への確固たる取り組みを実証

バリー・グループ幹部のカール・サリバン氏は、次のように述べました。「今回のMSC認証の取得は漁業者、バリー・グループ、カナダ漁業海洋省の管理チームの三者の努力と協力の賜物です。ニューファンドランドとラブラドールのニシン巻き網漁業が、漁業者の生計を守り、生態系への影響を最小限にとどめ、将来にわたって豊富な漁業資源を維持できるようにするために、いかに持続可能な漁業に取り組んでいるかが実証されました」。

持続可能性の確証

MSC漁業アウトリーチマネージャー、ジェイ・ルガーは、「ニシン漁業としてカナダ初の認証を取得したバリー・グループのタイセイヨウニシン巻き網漁業にお祝い申し上げます。持続可能で適切に管理された漁業の証であるMSC認証を取得したことにより、他の漁業の手本となり、供給先も、持続可能な製品を調達しているという確証を得られるようになりました」とコメントしています。

審査および認証について

MSC規準に基づいて審査を行ったのは独立認証機関のIntertek Fisheries Certification (IFC)です。MSC規準の三原則に則り、資源状態、海洋生態系への漁業の影響、管理システムが詳細に審査されました。タイセイヨウニシン巻き網漁業の詳細、およびMSC規準に対する漁業の評価を記した一般公開用認証報告書はこちらのMSCウェブサイトでご覧いただけます。www.msc.org/track-a-fishery/certified (英語のみ)