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カナダ初のアカディアン・レッドフィッシュ漁業がMSC認証を取得

海洋管理協議会(MSC)と、業界団体の底魚事業割当協議会(GEAC: Groundfish Enterprise Allocation Council)は、アカディアン・レッドフィッシュ漁業がカナダで初めて、国際的に認知されているMSC漁業認証を取得したことを発表しました。この成果により、北西大西洋漁業機関(NAFO)による漁業区域3LNで獲られたアカディアン・レッドフィッシュ(学名:Sebastes fasciatus)は、MSC のCoC認証を持つ企業によってMSC「海のエコラベル」を付けて販売することができるようになりました。

資源回復のための国際協力

3LNのアカディアン・レッドフィッシュ資源は、カナダと国際水域にまたがり、旧ソ連、キューバ、韓国、ポルトガル、スペインの漁船などと関わりがあったこともあり多彩な歴史を有しています。1980年代後半には過剰漁獲によって資源が枯渇しかけたため、1998年に禁漁が宣言されました。その後の慎重な管理の結果、資源は回復し、2010年には漁業が再開されました。

NAFOの管轄のもと、慎重に設定された漁獲可能量(TAC)は、NAFO加盟国の科学者によって外部査読され、十分に実証された漁獲調整規則によって確立されています。この管理手法は、資源の継続的な増加に有効であることが証明されており、長期的な持続可能性に向けて、この漁業を導き続けることが期待されています。

カナダはTACの42.6%の漁獲シェアを保有しており、その大部分はニューファンドランドのグランドバンクスにおいてオーシャン・チョイス・インターナショナルの漁船によって漁獲されています。

GEACの社長、ブルース・チャップマン氏は次のように述べました。
「この認証は、漁業区域3LNでのアカディアン・レッドフィッシュの漁業管理に適用される厳格さの証明となります。私たちは、私たちの漁業による漁獲物すべてにMSCのエコラベルをつけることができるよう、引き続き取り組んでいきます。」

持続可能性の世界基準

レッドフィッシュは長命で繁殖形態が特殊なため、資源の保護を確実にするために強固な管理措置が求められます。MSC認証を取得するために、漁業区域3LNにおけるアカディアン・レッドフィッシュ漁業は、資源の持続可能性、非常に低い混獲率、そして環境に与える影響を最小限にとどめ、かつ良好な管理体制を保持していることを示すことで、3つのMSC原則をすべて満たしていることを実証しました。

漁獲可能量(TAC)や各国の割り当てによる管理に加え、アカディアン・レッドフィッシュに対する他の保護措置として、特定漁具の使用、漁場や漁期の制限、脆弱な地域の保護などが含まれます。

MSCカナダ担当プログラムディレクターのジェイ・ルガーは次のように付け加えています。
「漁業区域3LNのアカディアン・レッドフィッシュに対して行われてきた、世界が認める漁業管理にかかわるすべての努力は、資源を持続可能な水準に維持するという長期的な目標を持つ世界中のマーケットに対して、明確なメッセージを送るものです。資源は回復し、堅固な漁業管理の存在も証明されました。MSCとは、カナダの漁業がこうした努力を実証するための土台であるともいえます。」

24か月間にわたるMSC規準に基づく厳格な審査は、独立した認証機関SAI Global Servicesによって実施されました。