Skip to main content

MSCの最新ニュースをご紹介するプレスリリースです。

MSCジャパンのプレスリリースをメールで受け取りたい方は、 こちらの登録フォームよりお手続きください。

サハリンのサケ漁業がMSC認証審査開始

ロシアの11の漁業会社が属する、サハリン・サーモン・イニシアティブ・センターとサハリン地域漁業組合による、3つの認証単位から成るカラフトマス漁業が、第三者認証機関による、持続可能で適切に管理された漁業に対するMSC認証審査に入りました。認証されれば、この漁業からの水産物には青いMSCのエコラベルの表示が可能になります。今回審査入りしたのは次の3漁業です。

1.   ノグリキ地区のロベッツ(Lovets),タマラ( Tamara), ダギ(Dagi), イリダ(Irida)の4社により漁獲される、北東サハリンのカラフトマス資源

2.   スミルニコフスキ地区のプラブニク(Plavnik),サドコ(Sadko)の2社により漁獲される、北東サハリンのカラフトマス資源

3.   アニワ湾地区のライバク(Rybak), タラナイ(Taranai),プリボーイトレード( Priboy Trade), プロスター(Prostor), コンパスプラス(Compass Plus)の5社により漁獲される、アニワ湾のカラフトマス資源

これらの漁業すべてが、定置網とトラップネットを使用し、ロシア連邦ならびに州のサケ管理システムにより管理されています。

審査においては、他の項目と合わせて、最近試行され始めた新しい報告手続きの有効性についても審査されます。この新しい報告手続きは、混獲種、非対象種、絶滅危惧/保護種(ETP種)についてのモニタリング強化のために導入されました。また、よりオープンで透明性が高く、漁獲量を不正に報告する動機を減らすための方策として、特定量の割当を伴うTAC制から、総漁獲量の制限はあるものの、個別企業への割当の無いオリンピック制と呼ばれる管理手法への変更による懸念についても審査されます。

今回の認証範囲は、ロシア極東の東サハリン島に位置しており、FAO統計エリア61にあたります。漁期は7月と8月です。今回の認証に含まれる、北東サハリンとアニワ湾で操業する11社の直近の最大漁獲許可量は、合計21,338トンで、これを11社間で配分します。

サハリンサケの現在の市場は、主にロシア国内ですが、一部は、製品の人気が高まりつつあるアメリカやヨーロッパへ輸出されます。多くのカラフトマスが加工のために中国や韓国へ送られますが、直接販売先として中国やその他のアジア諸国に輸出されるのはわずかです。

漁業からのコメント

今回審査入りする漁業会社の一つであるプラブニクの代表、ウラディミール・スミルノフ氏は、「MSC漁業本審査入りすることは、私たちの、ロシアの天然サケ資源を保全し、持続可能な管理をするための努力のあらわれです。」とコメントしています。サステイナブル・フィッシャリーズ・パートナーシップの世界プログラムディレクターのハワード・ジョンソン氏は、次のように付け加えています。「MSCは、サハリンのサケ漁業が世界市場へ進出するための鍵です。MSCの認証は、世界へ向けて製品を販売する漁業にとっては必須になりつつあります。」

MSCのコメント

MSCアメリカ地域ディレクターのケリ―・コフリンは、「サハリンのサケ漁業の本審査入りは、11のロシアの漁業会社が重要なワンステップを踏み出したことを示しており、また、国際市場からの需要がいかに漁業の自発的なMSCプログラム参加へとつながるかを確認するものです。MSCは、天然漁業資源のための国際基準として広く受け入れられており、彼らが順調に認証を取得すれば、ロシア企業は、持続可能な漁業の管理と市場での優位性というMSC認証による利点を手に入れることができます。」とコメントしています。

認証機関について

審査は、ロバート・J・トランブル博士の指揮の下、認証機関であるMRAGによって行われます。トランブル博士へは、[email protected]宛に連絡をしていただけます。この漁業に興味のある関係者の方は、審査に対してコメントや情報を提供することが望まれます。MSCでは関係者の審査への参加を促進するために、ガイドを作成しました。http://www.msc.org/documents/get-certified/stakeholdersよりダウンロードしていただけます。

コメント提出時に使用するテンプレートは、http://www.msc.org/documents/get-certified/stakeholders/template_for_stakeholder_input/

にて入手していただけます。今回の審査には、12-16ヶ月を要するものと予期されています。

以上

*団体名などの表記はご参考としてのものです