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マッカリー島(オーストラリア)のメロ漁業、MSC認証取得

オーストラル社(Austral Fisheries)とオーストラア延縄漁業とによるマッカリー島のメロ漁業(The Macquarie Island toothfish fishery (MITF)が、MSC基準に対する独立の厳格な審査の結果、MSC認証を取得しました。

この漁業は、昨年3月にMSC認証を取得したハード島とマクドナルド島のメロ漁業に次いで、オーストラリアのメロ漁業として認証を取得した2番目の漁業です。

現在、世界の合法的に漁獲されたメロの約3割が持続可能であるとして、MSC認証を取得しています。世界でMSC認証を取得している4つのメロ漁業の合計は、合法に漁獲された世界のメロ漁獲の31%を占めています。

アメリカをベースとする認証機関であるSCSの専門家による独立した審査の結果、本漁業は、漁獲対象となるメロ資源は健全で、漁業活動は、海洋生態系に最少の影響しか与えておらず、全体として漁業は、適切に管理されていることが示されました。

この漁業からの製品には、その持続可能な供給源からの水産物であること示す、MSCエコラベルを添付することができます。

漁業について

この漁業は、タスマニアと南極の中間当りに位置する小島であるマッカリー等周辺のオーストラリア漁業域で行われています。

この漁業の管理責任の主体は、オーストラリア漁業管理局(Australian Fisheries Management Authority (AFMA)で、オーストラリア南極局(Australian Antarctic Division (AAD)、オーストラリア連邦科学産業研究機構(Commonwealth Scientific, Industry and Research Organisation (CSIRO)からも助言を受けます。

この漁業は、南極の海洋生物資源の保存に関する委員会(Commission on the Conservation of Antarctic Marine Living Resources (CCALMR)に補強される方策による管理されています。 漁獲方策は、この方針と一致しており、2012/13年度の漁期の漁獲レベルは、455トンに設定されています。

管理方法と条件は、持続的なメロの資源の確保と環境への影響を最小にするために漁業内で広く理解されています。義務的要件には、2人の常勤オブザーバーの乗船と漁船の衛星による常時モニタリング、海鳥の混獲の低減、海鳥との接近や海獣の出産時期を避けるために漁船数の制限と季節による規制をしています。

この漁業からの製品の多くは、アメリカと日本に輸出されています。

認証に付随する管理行動要件

この漁業が、すべての面において世界での最良事例を満たすために、認証機関は、認証に付随する1つの条件(必要とされる管理活動)を出しました。この条件は、Australian Antarctic Division、CSIRO、 漁業業界、Fisheries Research and Development CorporationとAFMAが行う数年に渡る調査の結果と忠告の採用を確実にすることです。この調査には、漁具に取り付けた水中カメラによる漁業の影響の評価も含まれています。

生産者からのコメント

オーストラル社CEOのデイビット・カーター氏は、次の様に話しています。「オーストラル社とオーストラリア延縄漁業双方は、合法な持続可能で生産的な漁業に責任を持っています。私たちは、非合法な漁業から資源や海鳥を守る戦いを経て、また海鳥、海獣そして我々がメロ漁業を行っている敏感な自然を守るための新しい道具の導入という長い道のりを歩んできました。」

カーター氏は、関係するすべての人たちを称賛し、「これは、オーストラリア政府の管理者、科学者、法令遵守担当責任者、漁業調査・開発会社、業界、保全団体の協働によって得られた便益への承認です。」と話しています。

MSCのコメント

MSCオーストラリア・ニュージーランド担当マネージャーであるパトリック・カレオは、本漁業の認証取得を祝福し、次のようにコメントしています。「オーストラル社とオーストラア延縄漁業両者の、独立した持続可能性のための第三者認証の取得への努力をした積極的な姿勢は称賛に値します。」

「国内外の水産物サプライヤーは、彼らの供給する水産物が、持続可能な供給源からのものである保証を必要としています。そして、この両組織は、彼らの活動をこのように透明性のある厳格な審査に進めたことに関して相当に先見の明があったと言えるでしょう。この認証は、漁業の持続可能性と将来の展望を確保するためにある現行の効果的な方策に対する承認であり、我々は、主要な市場からの需要は高いと想定しています。」

WWFのコメント

WWF・オーストラリアCEOダーモット・オゴーマン氏も、この漁業の認証取得と積極的な環境方策を歓迎し、次のようにコメントしています。「持続可能な責任ある漁業管理は、私たちの国を取り巻く素晴らしい海洋生物と生態系を守るための重要なステップです。マッカリー島のメロ漁業の認証取得は、私たちの地球を守る役割において、業界とNGOが協働して成し得ることができる一例です。漁業によって採用された管理体制を通して、私たちは、生態系とそれを構成する貴重な種が、何世代にも渡って維持されていくことを確実にできるのです」