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世界初の熱帯性エビ漁業がMSC認証を取得:スリナムのアトランティック・シーボブ漁業

スリナムのアトランティック・シーボブ漁業が、熱帯のエビ漁業として世界で初めて、持続可能で適切に管理されている漁業としてMSC認証を取得しました。この漁業からの水産物には、持続可能な漁業で漁獲されたことを示すMSCエコラベルを付けることができるようになります。

約2年前、スリナムに本拠地を持つ20隻の漁船を代表し、ヘイプログ・グループ(The Heiploeg Group)は、独立認証機関フード・サーティフィケーション・インターナショナル社(Food Certification International Ltd.)による審査を受けることを決めました。

アトランティック・シーボブ漁業のMSC認証をお祝いする“シーボブ・カクテルパーティー”が、11月9日に開催され、スリナム農業・畜産・漁業省や水産会社のヘイプログ・スリナム社とナモーナSAIL社からの出席者にMSC認証が授与されました。

アトランティック・シーボブ(Xiphopenaeus kroyeri)は小型で短命のエビです。このエビをとる漁業はスリナムの沿岸部で操業されており、ガイアナとブラジルの大マリン・エコシステム内に位置しています。エビ漁業は、スリナムとガイアナの2カ国にとって主要な4番目に大きな輸出品目です。

このエビ漁業は、20件の漁業権を持つヘイプログ・スリナムとナモーナSAILの2社によりツインリグ方式オッタートロールによって、通年操業されています。年間の水揚げ量はおよそ10,000トンで、スリナムのシーボブの水揚げ量の9割以上にあたります。そのため、このシーボブ漁業は、地元の人々の生計にとって大変重要です。スリナムのシーボブ製品は、サラダやトッピングまたはフライ用にむき身として主にヨーロッパや北米の市場に販売されます。


協働の努力に報いるMSC認証

このシーボブ・プロジェクトのマネージャー、ベルギーのモルベルNV社に所属するヘイプログ・グループのクリス・メスケンとラルフ・サンダースにとって、今回のMSC認証は、水産物市場の発展における重要なマイルストーンです。「この認証取得によって、このシーボブはとても特別なエビになりました。本当に、初の持続的に漁獲される熱帯のエビになったのです。MSC認証は、単に私たちの製品にラベルを付けることができるというだけではなく、多くの意味を持っています。MSCの規準を満たすレベルにまでこの漁業を引き上げる努力を支えた多くの人々、すなわち漁業者、ヘイプログ・スリナム、スリナム漁業局、ナモーナSAIL、そして科学者たちの努力に報いるものです。このMSC認証は、一ビジネスプレーヤーが、漁業と漁業のマネジメントに前向きな影響をもたらすことができることを示しています。

市場の需要と協力による前向きな変化

MSCの最高責任者ルパート・ハウズは、この漁業のMSC認証取得を祝し、次のように述べました。「このスリナムのアトランティック・シーボブエビ漁の認証は、認証を受けた持続的な水産物への市場の需要にこたえるために、健全で生産性の高い海洋エコシステムという同じビジョンをもって、ステークホルダーが協働することを、MSCプログラムが、どれほど促進するかを示しています。この漁業と認証に関わった全てのパートナーにお祝いを申し上げます。大変な道のりでした。予備審査によって、MSC認証取得に必要ないくつかの改善要件が示されました。これらの課題を解決し、この漁業とパートナー、さらにスリナム政府は、環境的な利益をもたらし、あとに続く地域の他の漁業へのモデルとなるような変化を達成したのです。」